「行人」
「こころ」
に続く後期三部作の第一作
漱石を読んでいると自分の内へ内へと目が向き
内向的になります
自意識の奥底を鋭く突かれます
大学を出たものの職にも就かず、探偵などどうだろう、などと考えながら毎日を送る敬太郎
同じ下宿に暮らす自由闊達な森本との関わり
敬太郎は仕事を紹介してもらえないか、と友人・須永の叔父で実業家の田口を訪問する
そこから始まる須永と須永の親族の話
田口の義弟・松本の家庭の話
田口の娘・千代子と須永の恋愛の話
100年近く前に書かれたものですが
なんと現代に通じる内容の多いことか
敬太郎が田口の前に出ると気持ちが萎縮してしまうのは何故なのか
須永と千代子の恋愛は互いに思いを寄せているのに何故成就しないのか
恐れない女と恐れる男
恐れないのが詩人で恐れるのが哲人の運命である
有名な一文ですね
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