山梨県のレッドデータブックは最初は2005年版と今回の2018年版の二つがあります。
いつもみているのは県のHPに掲載されている2018年版でした。
そこには県内を65の二次メッシュで刻み、その存在場所をしめされていました。
それによってだいたい八ヶ岳周辺かなとか、富士山の近くだなぁと思っていたわけです。
メッシュは10km✖️10km 株数は100が基準です。ただCRなどはそこまでなくても
メッシュに記載されているのではないかと思われる表記があります。
このメッシュ数は絶滅危惧種の判定の重要な要素になっています。
2018年版の図の凡例はこの3種類でした。
◯2005年出現
◯2015〜2017出現
◯両方の調査で出現
これをみて、前回の調査結果が反映されていてわかりやすいなと思っていました。
ところが先日図書館で2005年版を見ていたら、その凡例はこうなっていました。
◯標本
◯写真、文献、野帳
この2つです。
比べたら、この2つはそれぞれ同等の扱いで2018年版に反映されていました。
この凡例だけ読むと過去の標本や記録の集大成を載せたように感じられます。
作成方法の部分を読むと、文献や標本(個人のものも含む)を調査してリストを
つくり、それを元に現地調査をされたとあります。
ただこの中で開発行為や乱獲による急速な消失が想定されるもの種について
重点的に調査したと書かれており、すべて現地調査して確認したわけではなさそうだ。
マンパワーを考えると仕方ないことだと思います。
2018年版では、引用するが
2005 年度版山梨県レッドデータブックに記載された 455 種と環境省第4次レッドリストの
追加種の現況把握調査を行うとともに、2005 年以降県内で生育が確認されている未記載種
及びニホンジカの食害による植 生の変化や開発行為等による生育適地の減少のため急速な
消失が想定される種についての補完的調査を重点的に行った。
と書かれており、すべて現地調査を行なっていると思われます。
したがって今回のレッドデータブックを見る際には、2005年出現凡例のものは当時から
もなかったのかもと考えてもいいかもしれません。特に希少性の低いものについては。
最後に2005年版に気になる表記があったので紹介しておきます。
ラン科の植物は近年乱獲が激しく、存在を公表すること危険性が指摘されたということです。
メッシュの公表は私も同様の考えです。メッシュ内は広い範囲とはいえ、知っている人が
丹念に探せば見つかる可能性は否定できません。ましてや最近はインターネットに具体的な
多くの文章や写真が無造作にアップされており、それを参考にもできます。メッシュを今後
無くしても本は残ります。なのでそういうネットへの情報公開の制限をするべきだと私は
考えます。実際に守っている山の名前を書かれたのを注意しても過去の情報は修正されませ
んし、どうしようもありません。早く条例化してほしいものです。
また知らずに掲載されてしまう危険性の除去についてはYAMAPが検討中です。結果を
楽しみにしたいと思います。