山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

野生絶滅の種 サルメンエビネとトキソウ

2022-02-07 14:41:00 | 貴重な花
山梨県の野生絶滅4種の過去の資料や図鑑をみてみました。

サルメンエビネは山梨県植物誌などの1981年頃の資料に記載がないので、その後見つかりそして確認できなくなったものと推測していました。実際レッドデータブック(以降RDB)には御正体山で1988年に確認されたがその後生育は確認されていないと書かれていました。図鑑で見るとサルメンといわれる独特な花が印象的です。エビネに比べて越冬葉がかなり大きいようなので、今の時期に葉っぱを見つけるのがよさそうです。場所は針葉樹林帯の下部からブナ帯にかけ、落葉樹林の林下。水がしたたる沢沿いの斜面や苔むした岩が点在するようなかなり涼しい場所に生息と書かれていました。花期は5〜6月。関東では東北よりも標高の高い1200mあたり(日本の野生ランなどの記述)。エビネと同じようであれば、あくまでも個人的な見解ですが、暗いというよりは今の時期に日当たりがいいような山の南向きの斜面や小さなピーク周辺かなとも思います。ただ過去の情報からいっても発見の確率はとても低い気がします。

トキソウはすでにRDB2005年でも野生絶滅とされており長い間生息確認されていない種のようです。尾瀬などで見られるように山地の日当たりのいい湿地に生息するといわれています。RDB2018によれば「山梨の植物誌@1982」に八代町大口山にあると書かれていたが今回の調査でも見られなかったと書かれていました。先日2019年に小林岳さんが市町村誌などの情報をまとめられた「山梨県植物分布誌」を見たら、たかんた、破魔射場、富士山、大口山と四ヶ所が書かれていました。
ここからは個人的な見解です。トキソウは小さくあまり目立たなく、また湿地帯は自由に歩きまわれるわけでもないのでやはり花が咲いていないと探すのはかなり難しいのではと感じます。花期は長野県での撮影記録を見る限り7月中下旬かなと考えてます。いわゆる湿地だけでなく、草原の中の小さな水が溜まるような場所でも生息しているようなので、昔あったとされる場所で今でも日当たりがよく草が茂っているような場所を幅広く探していくとどこかに少し生き残ってるかもしれないと考えています。 今年は二ヶ所歩いてみようと思います。

次回からはIAのメッシュ1で私が判別がつきそうなものをご紹介します。








山梨県の絶滅に近い植物について

2022-02-07 12:46:00 | 貴重な花
山梨県のレッドデータブックによると、
県内ではすでに絶滅したと考えられる種で飼育や栽培下でのみ存続している種を「野生絶滅」としています。
2018年版では、ラン科のサルメンエビネ、サギソウ、トキソウ、そしてキク科のフジバカマの4種。
昔の本に書いてあったカイサカネランなどは入っていなかったので、選定にはなにか別の基準もあるのかもしれません。

それに一番近いのが絶滅危惧I類、特にIA類でごく近い将来における野生での絶滅の可能性が極めて高い種と定義されています。また中には情報があまりなく、「評価するだけの情報が不足している種」を情報不足(DD)というカテゴリーに分類されていました。このカテゴリーのもの中にはもしかしたらもう絶滅なものもあるかもしれません。
なんとか生息地を見つけたいものです。

レッドデータブックを見ると絶滅危惧IA類中にはメッシュ(10km四方範囲)が1で分布が偏っているものがあります。たぶん実際には三次メッシュ(1km四方)で管理されているようなのでメッシュ1でも生息地が多数あるのかもしれませんが近い場所というのはやはり環境変化などの影響を一緒に受ける可能性があり絶滅のリスクも高いと感じます。
そういった種も生息地を見つけたいものです。

今年、このような見つけたい植物のリストをつくり、過去の生息情報やネットの情報を蓄積していくことにしました。
私一人ではとうてい見つけることができないのでそのうちのいくつかについてはここで集めた情報をつづっていきたいと思います。同じ思いをお持ちの方  よろしくお願いします。