山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

ミスミソウの仲間

2022-02-12 18:52:00 | 似てる花の見分け方
山梨でもセツブンソウが咲き始めました。
めちゃくちゃ花が早かった昨年に比べたら遅いですがほぼ例年なみかなと思います。
さて今日のお題はセツブンソウと一緒に2月我々山野草ファンを楽しませてくれるミスミソウです。





私は山梨ではじめて自然に咲くミスミソウを見ました。それがここ県の自然記念物に指定されている畑熊のミスミソウです。自然記念物の植物は全部で28ヶ所あるそうです。
昔の記録によるとこの芦川渓谷にはあちこちにミスミソウがあり、その中で一番群生していたここが選ばれたようです。芦川渓谷といえば川の高低差を利用した発電所が印象的ですが、明治の頃、ここを通りがかったイギリス人牧師の発案によるものだそうです。なんと山梨で最初の発電所で明治33年から稼働しているそうです。すごいです。
セツブンソウが咲いている場所が芦川渓谷にもあるので早春を感じられる貴重な渓谷ですね。

さて本題に戻ります。
今日のお題はミスミソウか、スハマソウかということなのです。
ミスミソウは山梨県絶滅危惧IB類、環境省準絶滅危惧種です。そのレッドデータブックの記述をみるとミスミソウの中にスハマソウを含めているようです。いわゆるミスミソウ属ということですね。実際 日本のレッドデータ検索システムでも多くの都道府県で絶滅危惧種とされていますがはっきりとスハマソウやオオミスミソウ、あるいはケスハマソウを含むとしているところも多いようです。全国的に生息しているのですが盗掘や環境変化でどんどん減っているようです。
ということで山梨県もミスミソウにスハマソウが含まれているのだと考えました。なのでお題はどちらかということです。

まず昔の記録を見てみました。
山梨の植物誌@1981では、「少」とされてますが、スハマソウやオオミスミソウの記述がミスミソウに含まれています。特長として、葉の先が円いものがスハマソウ、葉が大型のものがオオミスミソウと書かれていました。また下部町でスハマソウを採取とも書かれていました。両方生息が確認されていたようです。

図鑑の差別ポイントも同様で「円い」ではなく「鈍頭〜円頭」でした。なんとなくわかりますね。
そのポイントだと間違いなくお題はミスミソウです。

ではスハマソウはどんな感じで円いのでしょうか?   図鑑を見てみました。
図鑑では面白いことに
ミスミソウは本州中部以西と九州北部
スハマソウは本州、四国
という分布が持っている三種ともに書かれていました。中部以西なら山梨は含まれないですね。
写真や絵を見る限り、差別ポイント葉の先はたしかにとがっていないというか、先は目立たないです。
ただ山に咲く花には「中間体があって葉での区別は難しい」とも書かれていました。それ以外の区別ポイントはどの図鑑にも書かれていないのでそこで見分けるしかなさそうです。

気のなったので山梨の他の場所で見たミスミソウを確認しました。全部で四ヶ所。山梨の生息地はレッドデータブックでは4メッシュですが、その3メッシュとメッシュ外の1メッシュものです。一ヶ所は自分の写真ではないので掲載できません。






そのうち、二番目のものだけがスハマソウといってもよい気がします。ただ冬越しの葉でかなりくたびれているので花後の新葉を確認してみて考えたいです。

見分けポイントはわかりましたがもう少し多くの種類を見たいものです。
1972にスハマソウが確認されたとする下部町もRDB2018の生息メッシュに含まれていますが生息場所を知りません。また昔の市町村誌を読むと大月市や南部町にも生息していたようです。特に南部町は甲府盆地とは環境が違うのでどっちが生息しているのか気になります。当然今も生息しているかどうかも不明です。ネットで見かけた鮮やかな色合いミスミソウも気になります。冬の時期  あまり探しに行く花もないし、根生葉は冬も残っているのでもう少し情報を集めて新たな場所を探してスハマソウを追っていきたいと思います。

個人の考えながら記述している忘備録です。最後まで読んでいただいてありがとうございました。
間違えや気づきなどありましたら遠慮なくお寄せください。