山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

ウメバチソウ、コウメバチソウ、ヒメウメバチソウ

2022-01-22 11:58:00 | 似てる花の見分け方
今日のお題はこれ

標高2100mくらいと高いところで見かけたウメバチソウ?です。
よく他県の夏山の湿地で見かけるウメバチソウですが山梨では私はあまり見かけておらず、一ヶ所知っているところは鹿の食害で風前の灯状態です。もちろん絶滅危惧種になっていないのであるところにはあるのかと。
ただ日本のレッドデータ検索システムによれば21都道府県で絶滅危惧種の指定を受けており全国的にも少なくなってきているのかも知れません。
また昨年火打山でヒメウメバチソウらしいものを見たのでそれを含めて頭の整理をしようかと考えました。

コウメバチソウは「山梨の植物誌@植松春雄1981」に記載されています。
ウメバチソウの高山型で北岳にあるとか。
「山に咲く花」には両方掲載されており差異を読み取ると、
◯花の大きさが2〜2.5cmに対して、コは1cmと小さい
◯仮雄しべ数が12〜22裂に対して、コは7〜11裂。
勝手に思っていた葉の大きさは関係ないようです。

これらに対してヒメウメバチソウは去年の写真を見たら


こんな感じで花弁の形が違い、花の雰囲気がまるで違うことがわかりました。

さてお題の写真ですが少しアップしていた写真みたところ、仮雄しべの分裂が多くウメバチソウであると確認できました。
場所もハイマツ帯といわれる場所でもないので当然なことでした。
今後はハイマツ帯でウメバチソウらしき花を見かけたら仮雄しべをじっくり見たいと思います。



最後まで見ていただいてありがとうございました。








ヒョウタンボクの仲間たち

2022-01-22 10:58:00 | 似てる花の見分け方
今日のお題はこの2つ。






上は4月のはじめに標高1600mくらい、下は5月のはじめに標高1700mくらいで見つけたものです。上は大きい岩の上で咲いていてこれ以上アップにできませんでした。二つ並んだ花からヒョウタンボクの仲間も考えていました。前々から気になっていたので仲間をぜんぶ調べてみました。

山梨にあるヒョウタンボクは「①山梨の植物誌@植松春雄1981」「②山梨県植物誌@山梨県1982」によると
アラゲヒョウタンボク
イボタヒョウタンボク      ①のみ表記
オオヒョウタンボク         山梨県絶滅危惧IB
コゴメヒョウタンボク                                環境省IB
スルガヒョウタンボク      山梨県絶滅危惧IA、環境省IB
チシマヒョウタンボク      山梨県絶滅危惧IB、環境省二類
チチブヒョウタンボク      ②のみ表記
ニッコウヒョウタンボク    山梨県絶滅危惧IB
ハヤザキヒョウタンボク    山梨県絶滅危惧IB
ヒョウタンボク               山梨県情報不足    昔 韮崎市にあったらしいが見つからなくなったもの

この10種類で、見つからなくなったヒョウタンボクを含めて絶滅危惧種が多いですね。
日本のレッドデータ検索システムでみるとほとんどが他県で絶滅危惧種に指定されていました。稀な植物なのかもしれません。あと似ている花にウグイスカグラの仲間があります。これは別途考えます。

このうち高山に咲く花は、
オオヒョウタンボク      白色大きい
コゴメヒョウタンボク   濃い紫色
チシマヒョウタンボク   紅紫色
似ている花にクロミノウグイスカグラ  クリーム色
と4つあるが花色が名前の後ろに書いているようにかなり異なり容易に見分けがつきそうだ。

残り7つ
多いので「改訂版原色牧野植物大図鑑@牧野富太郎1996」より特徴を見てみた。
◯アラゲヒョウタンボク
  山地。花の基部に包葉2枚、花は黄色、葉が大きく毛がある。わかりやすい!
  お題の下の写真は包葉があるのでアラゲと考えました。別角度の写真もあります。
上もそうかもしれませんが遠すぎて判別難しいです。




◯イボタヒョウタンボク
  富士山、八ヶ岳、赤石山脈。花は晩春、淡黄色で子房に腺点あり。

◯スルガヒョウタンボク(アオバヒョウタンボク)
  掲載なし。
  6/7に撮影したものです。保護されるほど稀少となっておりあまり目にすることはないかもしれません。
  花が赤みを帯びているのがポイントになりそうです。



◯チチブヒョウタンボク
  直接の記載なし。
  コウグイスカグラの変種。葉が大きく、基部がやや心臓型になる。

◯ニッコウヒョウタンボク
  山地。若枝は四角。花は晩春、白色で汚黄色に変わる。2つの花は離れて咲く。
  四角の枝はわかりやすいです。

◯ハヤザキヒョウタンボク
  掲載なし。
  昨年3/16に撮影したものです。花期が早く、葯が赤いので見分けられそうです。
  アラゲもそうでしたが花の時期は葉がほとんどでてないことが多そうです。




◯ヒョウタンボク
  山野。花は初夏、初め白、のちに黄色に変わる。これはわかりやすいですね。
  過去の文献を読む限り、山梨では韮崎市でのみ確認されているようです。探しだしてみたいです。

  
特長がわかりにくかったのは、
チチブヒョウタンボクで母種とされるコウグイスカグラとも違いを見つけないといけなさそうです。

コウグイスカグラの特徴はやや高い山地。花は春、淡黄色。
山梨県では絶滅危惧IBです。レッドデータブックにはチチブヒョウタンボク(ミツトウゲヒョウタンボク)は同一扱いとしたと書かれていました。メッシュ1と山梨では今のところ場所が限られているようなので御坂まわりの時に見かけたら詳細に検討しようかと思います。

長くなりました。最後まで見ていただいた方ありがとうございました。
間違い等ありましたらコメントいただけると幸いです。


身近な花の違いを見分けたい(現状)

2022-01-22 08:33:00 | 似てる花の見分け方
トリカブトなどいくつか違いを確認することができましたがこれからの花探しを考えて去年の写真を見てみていたら、次から次へとやっておきたい花が増えてきました。
忘れないように書き留めておきます。

<済み>
カワラナデシコ  
ギボウシ、イワギボウシ
カイタラコウ、メタカラコウ
アカイシコウゾリナ
レイジンソウ

<検討中>やりかけて途中で止まってるもの
ミヤマカタバミ、コミヤマカタバミ                    悩ましい
ツリガネニンジン、フクシマシャジン、ソバナ      悩ましい
マネキグサ、キレハマネキグサ                         キレハ参考資料見当たらず
コウモリソウ、オクヤマコウモリ
ウメウツギ、バイカウツギ
シャジンの仲間   ホウオウ、イワ、ヒメ 
グンナイフウロ、タカネグンナイフウロ
コンロンソウの仲間
イチヤクソウの仲間
ヒョウタンボクの仲間

<冬の間にやっておきたい>未着手
オウレン、セリバオウレン、コセリバオウレン、ウスギオウレン、ミツババイカオウレンなど
ウメバチソウ属
シオガマギク、トモエシオガマ
ハタザオの仲間
アカバナの仲間
ムグラの仲間
シロヨメナの仲間
アザミたち
キンポウゲの仲間
ヘビイチゴやミツバツチグリなど地を這ってる黄色い花たち
ナツトウダイの仲間

ネットを見れば書いてあるのですが、一部の種類だけだったり、実際に写真と比べてみるとそれだけでは見分けられなかったりと意外に複雑だなあと感じています。うまく見極めできなければとりあえずわかったところまで書いて残しておきたいと思います。






トリカブトのお仲間

2022-01-17 15:15:00 | 似てる花の見分け方
今日のお題はこれです。


トリカブトです。
ヤマトリカブトなどいろいろ種類があるのは知ってたけど詳しく知らないのですべてトリカブトで片付けていたものです。こんな対応は「キンポウゲ」、「ハコベ」、ひどいのは「足元に咲く黄色い花」などもそうです。不勉強のせいです。

今日は意を決してトリカブト問題に取り組みます。

山梨のトリカブト属は以下のものが知られていました。
キタザワブシ   山梨二類、全国二類
キタダケトリカブト  山梨1B類、全国1A類   北岳のみ
サンヨウブシ
ホソバトリカブト
ヤマトリカブト
の5種類でした。もっとあると思っていました。
上2つは絶滅危惧種で珍しいので普段目にするのは下の3つですね。
この3つの違いを調べて、それと比較して絶滅危惧種を見分けようと考えました。

図鑑を見ても違いが今ひとつわかりにくいかったです。
いくつかの図鑑を読み比べると見分けポイントは葉の形状と花柄の毛のようです。

サンヨウブシ   腎円形、掌状に5〜7中裂し、裂片には卵形の粗い鋸歯あり。花柄は無毛。
                    *意外にも無毒な品種なんだそうです。なので黒岳などで盛大に鹿に食べられているのはこれかな?
ヤマ              掌状、5つに中裂。切れ込み浅い。花柄に屈毛が密生。
ホソバ           掌状、5つに深く裂ける。葉の裏面の毛は曲がる。花柄の毛は開出。
                    開出なので直毛や線毛のまっすぐなものですね。
                    亜高山帯〜高山帯に咲くようで「高山咲く花」に掲載されていました。

絵や写真をたくさん見てわかったのは
◯ホソバは深く切れ込んだ葉っぱで見分けられる。念のため花柄毛の確認を。
◯ヤマとサンヨウブシはいずれも中裂で葉が似てるのでパッと見ではきっとわからない。花柄の毛の有無で確認しよう。

さて残りの絶滅危惧種2つです。
キタダケトリカブトは場所が限定されていますが、実際に現地で見た時にこれ?って悩み、とりあえず写真だけ撮ってきました。次に写真にとるときは見分けポイントを確実に撮りたいものです。
   生息   北岳高山帯の岩交じりの草地
   葉は3〜7cm(かなり小さい)、腎円形で3つに深く裂け、さらに2つに裂ける。最終片はかなり細い。
   花柄に屈毛。図鑑の絵や写真を見ると一見5つに裂けているように見える。
   小型のキタザワブシとよく似ているようで違いを上部で茎がよく分枝していることとしている。北岳には両方あるのかもしれない。

キタザワブシ
   生息  亜高山帯〜高山帯
   葉は長さ6〜15cm、腎円形で3深裂、あるいは3中裂する。終裂片は線形ないし皮針形。
   花柄に屈毛。

この2つが似ているのはホソバトリカブトになります。
ホソバは5つに深く裂けていることが違いますが(他は3つ)、この点は絵や写真を見ると難しそうです。
ただこの2つはさらに裂け、最裂片が細いのでここなんとかなりそうです。
最後に花柄の毛で確認すればよいかなと。
ホソバに似てる「高山に咲く花」にはアカイシトリカブトが八ヶ岳や南アルプス赤石岳にあると記載されてましたが、Ylistには載ってませんでした。

今日のお題は、これだけではサンヨウブシかヤマトリカブトかわからないという結論です。花柄の毛を確認します。
なんとなくですが花柄がうっすら白いので毛がありそうで、ヤマかなと。
また一緒にお題としようと考えていた下の写真はホソバでした。







メタカラコウ、カイタラコウ、オタカラコウ

2022-01-17 12:48:00 | 似てる花の見分け方
今日のお題はこの写真です。


コウモリソウに囲まれた黄色い穂状の花、見た感じはメタカラコウかなぁと。

似たものにオタカラコウがあり、甲斐の名前のつくカイタラコウがある。
この際だからきちんと調べておこうと思いつきました。

すべて図鑑に載っていました。
ポイントは葉と花の形状でした。

◯葉
   メタ   三角状心形
   オタ   腎心形
   カイ   柄の基部が広がり茎を抱く、(ほこ形、ほこ心形)←ネット情報

◯花の形状
   メタ  舌状花 1〜3個、ないこともあり。花穂の先端が密。
   オタ  舌状花 5〜9個。花穂の先端がまばら。
   カイ  (舌状花 5〜6個)←ネット情報、図鑑の絵は6個。花数が少ない←図鑑の絵やネット写真より。

図鑑のカイタラコウは記述が少なく絵を参考にしました。ネットにもよく載っていたので確認しました。
お題はメタカラコウですね。
カイタラコウはまだ見ていない気がします。