山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

ミヤマカタバミの仲間たち

2022-01-15 11:30:45 | 似てる花の見分け方
今日のお題はこれです。
山に咲くカタバミです。
個人のお勉強の覚え書きです。よくご存知の方はスルーしてくださいね。



山梨の山に咲くカタバミの仲間は昔の記録では
ミヤマカタバミ、コミヤマカタバミ、オオヤマカタバミと3つです。
高尾山などに咲くカントウミヤマカタバミを含めて今回調べてみました。

オオヤマカタバミは葉っぱが大きく三角なので容易に見分けがつきます。
残りの3つが悩ましいのです。当初は花の基部が黄色く赤紫色の筋があるものをコミヤマと考えていました。でもそうでもないようです。そこでちゃんと図鑑を読みました。
全ての種類が載っている「山に咲く花」によれば
ポイントは葉の形状、葉や花柄などの毛の様子、花の様子でした。
◯葉の形状
  ミヤマがかどが鈍角なのに対して、コミヤマは丸いとありました。ネットではコミヤマはミッキーマウスのようとも。
  山に咲く花の写真にもよく似ているので最初の写真はコミヤマかなと。
◯毛の様子
  ミヤマ:葉柄、葉の裏面、花柄に密に毛がある
  カントウ:葉裏の毛がミヤマより少ない    
  コミヤマ:葉の裏面ときに表面に軟毛あり
  毛と軟毛は違うのとか、少ないってどれくらい、、、など初心者の私が見分けるには微妙なポイントです。
  最初の花の近くに咲いていた花の写真です。
花柄にも葉裏や葉の縁にも毛がいっぱい生えています。これだけで考えるとミヤマかなと。


◯花の様子
  ミヤマ:白色、ときに紫色のすじがある。
  カントウ:表記なし
  コミヤマ:基部に黄色斑が入る。白色、ときに脈が淡紅紫色を帯びる。
  私が見分けるポイントとして覚えていたのはここのポイントだったようです。
  これで最初の写真をコミヤマと考えていたのですが、黄色斑が山に咲く花の写真と比べてかなり薄く感じました。
  そこでとなりの山の写真と比較してみました。
はっきりとした黄色斑、赤紅紫色のすじ。まさにコミヤマです。
他を見ると花柄には毛がありますね。葉は最初の写真のものよりもっと丸いです。丸の門というか一番丸まっている場所が葉全体の中央付近です。

さて困りました。
そこで「日本の野生植物」@平凡社1981  を図書館に見に行ってきました。
それによると、
コミヤマは、
  根茎は細長く伸び、古い葉柄の基部は密集していない。小葉の角は円形。
残りのミヤマとカントウは、
  根茎は太く、密に古い葉柄の基部に被われる。小葉の角は鈍端。
そしてミヤマとカントウの違いは、
  蒴果が楕円形で10-17mmがミヤマで
          卵球形で6-12mmがカントウ
なんだそうです。

毛についてや花の色合いなどは区別ポイントではありませんでした。
毛や花が区別ポイントでなくていいなら、小葉だけでみれば最初の写真はコミヤマになります。
古い葉柄の密集度は見ていないので今年よく確認してみて見分けポイントがこれでいいのかを判断します。

なおカントウは「山梨県植物誌」「山梨の植物誌」共に掲載されていません。
山梨にはないと考えてもいいのかもしれませんが念のため蒴果で見分けることだけは覚えておこうと思います。



  
  
  

ギボウシの仲間たち

2022-01-15 10:25:48 | 似てる花の見分け方
今日のお題はこれ  ギボウシです。
個人的なお勉強の覚え書きです。よくご存知の方はスルーしてください。



近くの山の林道脇ののり面に咲いていたギボウシの仲間です。
山梨のギボウシは  オオバ、コバ、イワと四種類あるとされています。いずれも珍しいものではありません。
このうちギボウシは総称で栽培されているものをいうと図鑑に書いてあったので残りの三種が対象です。

コバギボウシらしいものは昨年見かけました。

明らかに葉っぱが小さいです。また周辺にあったものではほとんど葉がないものさえありました。

残りはイワギボウシが分かれば見分けられます。
図鑑やネットにかかれていたのはこういう点でした。(  )内はオオバ。
◯葉柄に暗紫色の細点が目立つ
◯葉にも細点がある(葉は大きく、しばしば両面に粉をふいてる)
◯苞が淡紫色で柔らかい(緑色で開出)


ネットのたくさんの写真を見比べてみるとイワは、
◯小さめ
◯葉っぱが細長い、密生してない。ホソバという種もあった。
◯苞はオオバでも白いものなどあるのでこの点では見分けられない。
◯葉柄の暗紫色の細点は写真ではわからなかった。

よってお題の写真はオオバギボウシですね。
イワギボウシを見れば見分けられそうに思いました。今年はイワギボウシを探して確認したいと思います。







コウゾリナとアカイシコウゾリナ

2022-01-15 09:35:00 | 似てる花の見分け方
今日のお題はこれです。
個人的なお勉強の覚え書きなのでよくご存知の方はスルーしてくださいね。



近くの山で見られるコウゾリナ、この山は南アルプスの前衛の山なので前からアカイシコウゾリナではと思っていましたが差異を確認しないままになってました。

ネット情報では葉の形状と茎や葉そして総苞の毛が異なるようです。

図鑑などを見るとコウゾリナの毛は
◯赤褐色ないし褐色の剛毛
◯茎や葉(葉脈や縁)など全体にある
たしかにそうでした。毛はもともとコウゾリナ(髪剃り菜)の代名詞のようなものではじめてみたときに触って、なるほどと感動しました。たしか白馬だった気がして写真探してみましたがこれしかありませんでした。



ただつぼみのワイルドさが全然違うのはよくわかりました。総苞片に赤褐色の剛毛がいっぱいあるせいですね。
葉も上の写真のほうが細くてしなやかな感じです。ネットのアカイシコウゾリナの葉の写真では鋸歯があるものもありましたが細かったです。葉っぱは比べないとわかりにくいですが毛はわかりやすいのでここをこれから見ていくことにします。









山梨のスミレ 続き

2022-01-08 13:19:00 | まとめ
山梨のスミレについてまとめようとしていると以前書きました。
すでにまとめられている方々のものを中心にまとめましたがなにかしっくりしません。
既知のものだけでいいのかなぁと。

そこで時間がとれたので有名な「日本のスミレ  増補改訂版」に基づいてまとめることに
しました。この本に載っているスミレを入力して、そこに山梨既存のものをマークする。
ついでに本の見分け方も載せようと考えました。

以前のまとめのデータベースをもとに本日からやり始めたのですが、かなりやっかいなことが
わかりました。
その1  この本には北海道限定とか沖縄限定とかが多く含まれていて全部データベースにする
          必要があるんだろうかという疑問です。全て入れても使わないものだったら邪魔なだけです。
          ただ参考にはなります。
その2  見分け方が微妙なものが多いのです。
          例えば「アギスミレ   ニョイスミレとははっきり区別できないものも多い。、、、」
          はっきりといえばほかの花に比べても細かいです。よく見かけるタチツボスミレ関連も
          そうでした。

特に2つめは悩ましいですね。植物の専門家ではないので何が新種として認められるのかが
よくわかりません。前にも書いたかもしれませんが身近に見かけるヤマエンゴサクは
葉っぱの形が円形、セリバみたいなもの、もっと細長いものがありますが、本には変異が
大きいとか多様と書かれてるだけで、スミレの世界なら別種ではと思ってしまいました。

まとめることの意義の一つにこうなふうにいろいろなことを考えることもふくまれている
のかもしれません。ぶつくさいいながら地味にやってきたいと思います。
一旦まとまったら、過去の文献やネットなどからわかった大まかな生息場所、
私が見たかどうか(判別できたかどうかかも)、これから探したいもの  などの情報も
追記して完成させる予定です。
そこまでやれば「山梨のスミレ」概要が把握できます。今週末までにはなんとか、、、