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中国の「防空識別圏」設定の撤回求める ― 日本共産党が見解

2013-12-10 | 危険な安倍政権の軍国主義・国民弾圧許すな

日本共産党の市田忠義書記局長は9日の記者会見で、中国政府が11月23日に設定した「防空識別圏」について、次の見解を発表しました。


 中国政府は11月23日、日本の領土・領海を含む東シナ海の広い空域に「防空識別圏」を設定し、日中間や北東アジアの緊張の高まりが強く憂慮される事態となっている。中国の今回の措置には、二つの重大な問題がある。

(1)

 第一の問題点は、今回の措置が、日本の実効支配下にある尖閣諸島を中国の「防空識別圏」に包含していることである。

 中国政府の声明は、尖閣諸島を中国領のように扱い、その上空を含む広い空域にたいし「防空識別圏」を設定している。これは、国際慣行上、絶対に許されない不当な行為である。

(2)

 第二の問題点は、今回の措置が公海上の広い空域をあたかも自国の「領空」のように扱っていることである。

 中国国防省が同日発表した「公告」は、中国領空に入ろうとする航空機だけでなく、公海上の広い空域を占める「防空識別圏」を通過するすべての航空機にたいしてまで、飛行計画を提出し、無線交信を保つことなどを「かならず遵守」すべきものとして義務づけ、指令に従わない航空機にたいして「中国軍が防御的緊急措置をとる」ことを声明している。

 防空識別圏は、領空に接近してくる航空機を識別して、不審機が領空に入ることを防ぐためのものとされるが、中国が今回設置した「防空識別圏」は、領空への不法な侵入を防止するという措置を超えて、公海上空の広い範囲を、自国の排他的権限の及ぶ「領空」であるかのように扱うものであり、空の基本原則である「公海上空の飛行の自由」に反する。

 空に関しては、民間機・軍用機を問わず、国際民間航空条約や国連海洋法条約に明記された諸原則にもとづく「公海上空の飛行の自由」が国際法の一般原則として確立しており、世界の航空秩序の土台となっている。

 中国の「公告」は、世界の航空秩序の核心である「飛行の自由」を侵害するものである。

(3)

 今回の中国の措置は、領土・領空の「安全」や「飛行秩序」のためという中国が表明している設置目的とは正反対に、この地域の緊張を激化させ、航空の安全や秩序を脅かすものにしかならない。それは、東アジアの平和と友好関係をめざす努力とは相いれない。

 日本共産党は中国政府にたいし、今回のような「防空識別圏」設定の撤回を求める。

 


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