核兵器禁止条約の国連会議は5日、3日に提示された最終草案の議論を行い、ホワイト議長は、大筋で参加国の合意が得られたとし、細部の文言修正を経た上で日程どおり7日に採択する意向を示しました。修正された最終案は6日午前に公表されます。
ホワイト議長は最終案について、一致点を最大限に反映したものだと強調。同日の全体会合では、各国の政府代表が本国と調整した上で、前文を含む全条文ごとに意見を表明しました。
多くの国は、自国の主張と完全には一致しない点を認めつつ、「一国の優先事項を越える必要がある」(キューバ)として最終案を受け入れる考えを表明しました。
米国の「核の傘」の下の国で唯一参加しているオランダは、「北大西洋条約機構(NATO)の一員としての関与と両立しない可能性がある」などとし、前文を含む主要条文に懸念を示しました。
最終案で明示的に禁止事項に示されなかった締約国領域内の核兵器の「通過」や、核兵器関連企業への「融資」について、一定数の国が、核兵器の威嚇やあらゆる核実験を禁じた内容となっている第1条に盛り込むべきだったと指摘。エクアドルなどは、草案で禁止している活動に対する「援助」などを禁じた条項には、「通過」や「融資」の禁止も解釈として含まれると主張しました。
また条約の署名開始日を9月26日の「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」に合わせるべきだとの提案もなされました。
採択に向け議論大詰め
― 藤森さん傍聴 「核なき世界へ確信」
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の藤森俊希事務局次長と原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の土田弥生事務局次長は5日、国連本部で行われている核兵器禁止条約の交渉会議(第2会期)を傍聴しました。藤森さんは、「ヒバクシャ国際署名連絡会」の代表でもあります。この日の会議は、7日の採択に向けて最終的な条約案を議論しました。
核兵器保有国・依存国のなかで唯一参加している北大西洋条約機構(NATO)加盟国のオランダが、禁止事項などで賛同しないと表明。各国代表からの活発な意見を受け、当初3時間の予定だった議論は、さらに3時間続けられました。
(写真)核兵器禁止条約交渉会議を傍聴する藤
森さん(手前左から2人目)と土田さん(同左端)
=5日、ニューヨークの国連本部
藤森さんは、じっくり時間をかけて条約をつくり上げる意味ある行動だと感心し、「条約そのものが核兵器をなくすというものになっています。今日の会議でも核兵器廃絶という言葉も出ていたから、さらに核兵器のない世界をめざしていると確信しています」と語りました。