沖縄米海兵隊は8日、オーストラリア沖で5日に発生したMV22オスプレイ墜落で行方不明になっていた乗組員3人の死亡を確認しました。19~26歳の海兵隊員で、普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属のオスプレイの死亡事故は初めてです。米軍の統計資料などによれば、同機の事故に伴う米兵の死者は44人に達しました。
また、米海軍安全センターは7日までに、航空事故の重大さを示す4段階評価のうち、最も深刻な「クラスA」に分類しました。
クラスAは「損害額200万ドル以上、死者発生」などと定義されており、今回の損害額は約8320万ドル(約92億3500万円)となっています。事故概要によれば、事故機は洋上でドック型揚陸艦グリーン・ベイ(所属・米海軍佐世保基地)に着艦しようとして衝突し「海中に墜落した」としています。
オスプレイのクラスA事故は▽昨年12月の沖縄県名護市での墜落▽7月の米本土での機体整備中の落雷・整備士の脳死―に続くもの。過去1年間で3件目という異常事態です。
こうした事態を受けて、全国でオスプレイの飛行中止・自粛を求める声が相次ぎました。
神奈川県は9月1日の防災の日の訓練へのオスプレイの参加見送りを決めました。同機の参加は米側が打診していました。
米空軍のCV22オスプレイ配備が計画されている横田基地(東京都)や、米空軍三沢基地(青森県)の周辺自治体は7日、防衛省に対して再発防止や飛行自粛などを相次いで要請しました。
しかし、米国防総省のデービス報道部長は7日、「日本の防衛と日米共通の安全保障上の目的を達成するために必要だ」と述べ、飛行自粛を拒否。在沖縄米軍トップのニコルソン四軍調整官も8日、沖縄県の富川盛武副知事が「強い怒りを禁じえない」として原因究明までの飛行自粛を求めたのに対して、「沖縄に限らず世界中で飛んでいるので同列だ。軍の方針だ」として拒否しました。