「私たちは諦めないぞ!共謀罪を阻止するまでがんばるぞ!」「私たちもがんばるから野党もがんばれ!」―。参院本会議で「共謀罪」法案の審議が始まる29日昼、共謀罪NO!実行委員会と総がかり行動実行委員会の国会前行動が行われ、約500人(主催者発表)が声を上げました。
総がかり行動実行委員会共同代表の高田健さんが主催者あいさつ。「国会会期残りの20日間、さらにたたかいを強めることによって『共謀罪』法案を廃案にする展望は十分にある。私たち市民が野党4党1会派と結束してたたかいぬきましょう」と呼びかけました。
スピーチした日本出版労連出版研究室室長の橘田源二さんは、「人は本によって豊かな気持ちや内心、考え方をつくる。子どもたちにどのような本をどのような文章でつくったらわかりやすいか、その相談を共謀だと位置づけられたら、まともな本をつくれなくなる。皆さんと一緒に共謀罪に反対、廃案にしていきたい」と語りました。
行動に参加した、杉並区の男性(65)は、「共謀罪が通ったら、政府のすることに反対する運動をしている一般市民が警察に捕まってしまう。戦争法や共謀罪を孫の代に残したくない」と話します。
川崎市の女性(67)は、「参院では徹底審議し『共謀罪』法案を止めてほしい。野党の皆さんにがんばってほしい」と語りました。
日本共産党、民進党、社民党の各議員も発言。日本共産党の畠山和也衆院議員は、「衆議院の議論で共謀罪は憲法違反の法案だとはっきりしました。安倍政権に立ち向かっていく大きなたたかいをつくっていこう」と激励しました。
「共謀罪」断固廃案求める
― 参院本会議 仁比氏 審議入り強行を批判
憲法が保障する内心の自由を侵す「共謀罪」法案が29日、参院本会議で審議入りしました。安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、安倍首相らの圧力によって認可の過程がゆがめられた疑惑が深まるなか、その真相解明という国政の最優先課題を脇においた審議入りの強行です。政府・与党は、会期延長も視野に、今国会での成立を狙っています。
日本共産党の仁比聡平議員は代表質問で、加計学園問題に関する予算委員会での集中審議と文科省前事務次官の証人喚問を要求。「真相解明に背を向け、権力の恣意(しい)的乱用が懸念される『共謀罪』法案を推し進めるなど、もってのほかだ」と批判しました。
安倍首相は、加計学園による獣医学部新設は適切に行われたと強弁し、問題を規制改革の是非に矮小(わいしょう)化。学部新設の手続きが「加計学園」ありきで進んだ問題には言及しませんでした。
仁比氏は、共謀罪について「限りなく内心に踏み込んで処罰するものだ。刑事法の大原則を根底から覆し、憲法に違反する」と批判。人権を制約するとの懸念を示した国連特別報告者の書簡に抗議した政府に対し、「特別報告者の権限を理解しない驚くべき姿だ。国連条約のための法案だと言いながら国連特別報告者の厳しい批判を敵視する態度は、国際社会に通用しない」と強調しました。
さらに、「一般人とは組織的犯罪集団と関わりのない人だ」との政府答弁について、「警察に捜査対象と目されれば、誰もが一般人でなくなる」という態度だとして乱用の危険性を指摘。警察権限の拡大をもたらす同法案は「秘密保護法、安保法制=戦争法、憲法9条改悪と一体に戦争する国づくりを推し進めるものだ」と述べ、断固廃案を求めました。
民進党の真山勇一議員は、秘密保護法や拡大盗聴法などと合わせて「強力な監視社会ができあがる」と批判しました。