米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属の垂直離着陸機MV22オスプレイが8月29日夜、エンジン故障のため大分空港に緊急着陸しましたが、同機と行動をともにしていた別の1機もエンジン不良で飛行不能となり、岩国基地(山口県岩国市)に1カ月以上、とどまっていることが分かりました。
墜落に直結するエンジン故障が相次いだことで、オスプレイの構造的欠陥はもはや否定できません。
岩国基地の監視行動を続けている市民らの記録によると、同基地にとどまっているオスプレイは、普天間基地に所属する第262海兵中型ティルトローター機中隊(VMM262)の2番機。北海道で行われていた日米共同演習に参加するため、8月11日に飛来し、演習参加の拠点となる青森県の米空軍三沢基地に移動した後、12日に岩国に戻り、一度も演習に参加することなく15日から格納庫に入ったままでした。
同機は、9月10日に格納庫から出て、整備員がエンジンのカバーを外すなどして整備を続け、13日午前に岩国基地の上空を試験飛行。15日午後にも2度、試験飛行しました。この際、消防車が13日に5台、15日に2台それぞれ待機していました。
防衛省は北海道での演習にはオスプレイが最大6機参加するとしていました。4機は8月18日から演習に参加しましたが、2番機と11番機は岩国に残ったままでした。
11番機は8月28日に岩国基地で白煙をあげた後、29日に普天間基地に向かう途中、エンジントラブルで大分空港に緊急着陸。機体から白煙と炎を上げたのち、左右のエンジンを交換し、着陸から11日目に離陸、岩国基地を経て9日に普天間基地に帰還しました。
「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県西部住民の会」の坂本千尋事務局長(64)は、「こんな欠陥機はもう飛ばしてはいけない。分解して船でアメリカに持ち帰ってほしい」と話しました。
普天間基地の目の前に住む会社員(42)は「オスプレイは真上を昼も夜も毎日のように飛び交っています。欠陥機ということは証明されているし、一刻も早くアメリカに戻ってほしい」と訴えます。