「仲井真知事は辺野古埋め立て承認を撤回せよ!」「公約違反の責任をとって辞任せよ!」―。沖縄県の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事が昨年末、同県名護市辺野古の米軍新基地建設のための埋め立てを承認したことに抗議する県庁包囲県民行動が14日、行われました。
(写真)「辺野古埋め立て承認を撤回せよ!」「
知事は辞任せよ!」と県庁に向かって唱和する
包囲行動参加者=14日、那覇市の県庁前
2000人を超す参加者が「承認撤回」「辞任せよ」と書かれた赤いプラカードを掲げて県庁を取り囲みました。日本共産党を含む県議会野党4会派と平和・市民団体呼びかけによる実行委員会の主催です。
事前集会で県議会の各会派代表が、同日開会の2月定例会冒頭、仲井真知事の承認を検証する調査特別委員会(百条委員会)の設置を提案したことに触れると、大きな拍手に包まれました。
日本共産党の渡久地(とぐち)修県議は「県議会で稲嶺進名護市長などを参考人として招き、徹底的に知事を追及していく。議会内外で力を合わせ、県民は屈服しないことを示そう」と力を込めました。
ヘリ基地反対協の安次富(あしとみ)浩共同代表は「名護のたたかいは、いまや国際的な運動に発展している。沖縄の尊厳と誇りを守るため、仲井真知事を知事の座から引きずり下ろそう」と呼びかけました。
埋め立て承認で百条委
― 沖縄県議会設置 知事を追及
沖縄県議会(定数48、欠員2)は14日、仲井真弘多(なかいまひろかず)知事の新基地建設に向けた同県名護市辺野古の埋め立て承認をめぐる真相解明を求めて、調査特別委員会(百条委員会)の設置を賛成多数で可決しました。
日程は、代表質問前の19日から7日間前後の見込みで、1月に県議会で辞任要求決議が可決されたのに続き、新基地建設反対の沖縄県民の思いを踏みにじった仲井真知事の責任が問われることになります。
百条委設置を求める動議は、「知事の埋め立て承認は県民への説明責任が全く果たされていない」として県議会野党・中立会派が提案。討論後の採決で日本共産党、社民・護憲ネット、県民ネット、沖縄社会大衆党、地域政党「そうぞう」の24人が賛成し、与党の自民党、公明県民無所属、無所属の21人は反対しました。
動議の提案理由を説明した日本共産党県議団の渡久地(とぐち)修幹事長は、米軍普天間基地(宜野湾市)の「県外移設」を強く求めていたにもかかわらず、公約違反を否認し続ける知事の説明について「多くの県民は到底納得していない」と強調。「県民の多くが抱いている疑問、不信を解明することは、いま緊急に求められている」とのべ、知事をはじめ承認にかかわった関係者の尋問や名護市長への意見聴取を行うよう求めました。
百条委員会 地方議会の議決により設置する特別委員会の一つ。都道府県および市町村の事務に関する調査権を規定した地方自治法100条に基づきます。当該関係者の証人尋問および参考人の意見聴取、記録の提出などを通じ、真相究明に当たります。関係者の証言や記録提出拒否、虚偽陳述に対しては禁錮などの罰則規定があり、地方議会の最も強力な調査権限です。