国連本部で19日、各国首脳が議論する「難民と移民に関する国連サミット」が開かれ、国際社会が責任を持って、難民や移民の生命と人権を守るために協力する意思を示す「ニューヨーク宣言」を採択しました。難民・移民対応の国際的規範となる文書を、2018年に取りまとめることを目指します。
紛争や迫害、貧困などを理由に、生まれた国からやむを得ず移動し、別の国で暮らす難民・移民は昨年、世界で2億4400万人に達しました。
近年、難民・移民が移動中に命や人権にかかわる危険にさらされたり、受け入れ国によって対応に違いがあったりすることが問題になっています。また難民・移民を敵視・差別する政治勢力が台頭する状況もあります。
同宣言は、全ての難民・移民の人権の保護をはじめ、移民・難民の子どもへの教育の確保や、性的暴力の防止などを明記。移民・難民への敵視を強く非難し、敵視を許さない世界的な運動を支持することや、受け入れ国への財政援助の改善などを提唱しています。
国連の潘基文(パンギムン)事務総長は、同サミットの開催について難民・移民問題の「突破口」だと強調。「宣言を実行に移す勇気ある行動が、取り残される難民や移民を生まないことを確実にする」と訴えました。