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原発再稼働 ― 8日 4社が10基申請へ ― 安全よりお金か!

2013-07-06 | 脱原発へ!放射能汚染と原子力発電

北海道・関西・四国・九州

 北海道、関西、四国、九州の4電力は、原子力規制委員会が新規制基準を8日に施行するのに合わせ、5原発計10基の原発再稼働審査を同日中に申請すると、いっせいに名乗りを上げました。5日、規制委が明らかにしました。9日以降の申請を表明している原発を含めると、早期の再稼働申請を表明している電力会社の原発は5電力7原発計14基になり、国内にある50基の4分の1以上にあたります。

表

  8日に申請するのは、北海道電力泊原発1~3号機(北海道泊村)▽関西電力大飯原発3、4号機(同県おおい町)▽関電高浜3、4号機(福井県高浜町)▽四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)▽九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)。

 また、九電は玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)の申請を12日に向けて準備中で、東京電力も柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県柏崎市、刈羽村)の申請を表明しています。

  早期の再稼働をねらう原発のうち、関電高浜原発3号機、四電伊方原発3号機、九電玄海原発3号機はこれまで、原発の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムをウランと混ぜたMOX燃料を使って発電しています。

  新基準は、福島第1原発事故の原因究明も終わらないもとで拙速につくられ、教訓を踏まえたものといえず、安全を確保できる保証はありません。

  再稼働申請は8日の午前中に受け付けます。規制委は審査に三つのチームを設け、各原発が基準に適合しているかを調べます。審査期間について規制委の田中俊一委員長は当初、「半年程度」としていましたが、申請内容によって「比較的早期に判断できる」とも述べています。

  福島第1原発は増え続ける汚染水問題など危機的状況にあり、事故原因も未解明にあるなかで、安倍自公政権は新規制基準をテコに原発の再稼働を推し進めようとしており、再稼働を許すかどうかは参院選挙の一大争点です。

  

“安全よりお金か”新潟知事

 「お金と安全と、どちらが大切か。安全と答えたが、うそだった」―。柏崎刈羽原発の再稼働審査を原子力規制委員会に申請する方針への理解を求めた東京電力の広瀬直己社長に対し、新潟県の泉田裕彦知事がのべた痛烈な言葉です。

 5日、新潟県庁での会談での、やりとりは、次のようなものでした。

  知事 年度内の黒字化は意識したか。

  社長 経営なので、それは絶えず意識している。

  知事 不安解消よりお金を優先したのか。

  社長 経営者なので、3期連続の赤字は何としても避けたい。

  知事 1年前の「安全優先」はうそなのか。国民が聞いたらどう感じるか。東電はトップが先頭切ってうそをつく会社だとしか伝わらない。

  福島第1原発事故を起こしたことへの反省もなく、国民の安全を置き去りに原発再稼働をねらう東電の営利本位の姿勢は厳しく批判されなければなりません。

  東電が地元への事前説明も了承もなく、手続きを急ぐ背景には、政府が1兆円を出資して実質国有化した際につくった「総合特別事業計画」(再建計画)があります。

  同計画は、再稼働が前提になっています。東電は原発1基動けば収支が年間約800億円改善されると見込んでいます。しかし、再稼働が遅れるほど黒字化は遠のき、3期連続の赤字となれば、銀行から融資を打ち切られる恐れがあります。

  こうした再稼働前提の無理な事業計画を承認した国の責任も重大です。

  東電が申請方針を決めた2日、茂木敏充経済産業相は、「国としても前面に出る」とのべ、地元への説得に乗り出す構えを示しました。事故の収束とはほど遠い状況で、再稼働や原発輸出に前のめりになっている安倍自公政権と東電が一体となって再稼働へと突き進むことは許されません

再稼働反対の審判を下す選挙に

 志位委員長が会見

   日本共産党の志位和夫委員長は5日、遊説先の札幌市で記者会見し、北海道など4電力会社が8日にも原発再稼働に向けた安全審査を申請することについて、「再稼働の是非は、今度の選挙戦での大争点です。(福島原発事故の)収束も、原因究明もされず、いまなお15万人の方が避難生活を送るもとでの再稼働は論外です」と厳しく指摘しました。

   このなかで志位氏は「『新規制基準』は重大事故が起こった際の住民の避難計画―『防災計画』がなくても再稼働を認めるなど、とんでもない穴だらけのものです。『新規制基準』をもって再稼働のテコにしては絶対ならない」と述べました。

   そのうえで、「原発依存を前提にした議論はもはや成り立ちません。即時原発ゼロの政治決断が、いま求められています。再稼働反対の審判を下していく選挙していきたい」と強調しました。

 

  

 

 

 

 

 


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