日本共産党の志位和夫委員長は26日、国会内で記者会見を行い、安倍晋三首相の所信表明演説についての感想を問われ、「自分にとって都合の悪いことは一切語らず、隠し通す。大変不誠実な内容だったと思います」と厳しく批判しました。
志位氏は、安倍首相が演説で安保法制=戦争法に一切ふれなかったことについて、「安保法制は強行から1年、全面的な運用段階に入りつつあります。南スーダンでの発動ということもいま言われています。ところが今日の所信表明で、ただの一言も安保法制について語りませんでした。自分にとって都合の悪いことは一切語らず、隠し通す。大変不誠実な演説でした」と述べました。
さらに志位氏は「言っていることと、やっていることが全く違う」と指摘。安倍首相が演説で「介護の拡充」や「長時間労働の慣行を断ち切る」などと強調したものの、実際には「要介護1、2」の保険給付外しなど「拡充」どころか大幅な切り捨てを進めようとしており、長時間労働の問題でも「残業代ゼロ」法案で過労死や長時間労働を促進しようとしていると述べ、「言っていることと、やっていることが全然違うという点でも大変不誠実です」と批判しました。
そのうえで志位氏は、「いま安倍政権がやろうとしていることの中身を一つひとつ、事実と道理に基づいて追及していきます」と語り、「安保法制=戦争法、『アベノミクス』、TPP(環太平洋連携協定)、原発、沖縄、憲法、核兵器の問題、こういう国政の根幹の問題で、安倍政権が本当にやろうとしていることはどういう内容なのか、どこに問題点があるのかについて明らかにし、私たちの対案を示す論戦をやっていきたい」と決意を表明しました。