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戦後70年にあたって――「安倍談話」と日本共産党の立場

2015-08-16 | 歴史の流れは平和外交

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 戦後70年の終戦記念日にあたって、日本共産党は、日本軍国主義の引き起こした侵略戦争と植民地支配の犠牲となった内外の人びとに、深い哀悼の意を表明します。

 いま、日本の政治は、戦争か平和かの歴史的岐路に立っています。戦争の惨禍と反省を踏まえて日本国民が得た世界に誇る宝――憲法9条を守り抜き、この条項を生かした平和日本を築くために、思想・信条の違い、政治的立場の違いを超えて、平和を願うすべての国民が力をあわせることを、心から呼びかけるものです。

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 本日、発表された「安倍談話」は、「侵略」「植民地支配」「反省」「お詫(わ)び」などの文言がちりばめられていますが、日本が「国策を誤り」、「植民地支配と侵略」を行ったという「村山談話」に示された歴史認識はまったく語られず、「反省」と「お詫び」も過去の歴代政権が表明したという事実に言及しただけで、首相自らの言葉としては語らないという欺瞞(ぎまん)に満ちたものとなりました。

 暴力と強圧をもって韓国の植民地化をすすめた日露戦争を、「植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけた」とのべていることは、乱暴きわまりない歴史の歪曲(わいきょく)にほかなりません。

 全体として「安倍談話」は、戦後50年にあたって「村山談話」が表明した立場を、事実上、投げ捨てるにひとしいものであり、国内外のきびしい批判を招くことは避けられません。

 戦後70年の首相談話が、このような有害な内容となった根底には、安倍政権が、侵略戦争を肯定・美化し、歴史を偽造する極右勢力によって構成され、支えられているという問題があります。

 戦後の世界秩序は、日独伊3国による戦争は侵略戦争だったという判定の上に成り立っており、それを否定するものは国際政治に参加する資格がないことを、きびしく指摘しなくてはなりません。

(3)

 日本共産党は、戦後70年という節目の年が、日本とアジア諸国との「和解と友好」に向かう年となることを強く願い、そのために、日本の政治がとるべき次の五つの基本姿勢を提唱しています。

 第一は、「村山談話」「河野談話」の核心的内容を継承し、談話の精神にふさわしい行動をとり、談話を否定する動きに対してきっぱりと反論することです。

 第二は、日本軍「慰安婦」問題について、被害者への謝罪と賠償など、人間としての尊厳が回復される解決に踏み出すことです。

 第三に、国政の場にある政治家が靖国神社を参拝することは、侵略戦争肯定の意思表示を意味するものであり、少なくとも首相や閣僚による靖国参拝はおこなわないことを日本の政治のルールとして確立することです。

 第四は、民族差別をあおるヘイトスピーチを根絶するために、立法措置を含めて、政治が断固たる立場にたつことです。

 第五は、「村山談話」「河野談話」で政府が表明してきた過去の誤りへの反省の立場を、学校の教科書に誠実かつ真剣に反映させる努力をつくすことです。

 北東アジアの平和と安定を築く基礎となるのは信頼です。そして信頼は、歴史の真実に正面から向き合い、誠実かつ真摯(しんし)に誤りを認め、未来への教訓とする態度をとってこそ、得ることができる――これが私たちの確信です。

 日本共産党は、侵略戦争と植民地支配に命がけで反対を貫いた党として、歴史を偽造する逆流を大本から断ち切り、日本とアジア諸国との「和解と友好」を実現するために全力をつくします。

(4)

 日本は、戦後70年間、他国と直接の戦火を交えることはなく、自衛隊は、半世紀余にわたって、一人の外国人も殺さず、一人の戦死者も出していません。

 こうした平和の歩みを支えてきたのは、何よりも、憲法9条が存在し、平和を希求する国民の世論と運動が脈々と続いてきたことによるものです。この力が、歴代内閣をも縛り、「自衛隊は軍隊ではない」「海外での武力行使は許されない」「集団的自衛権行使は許されない」という憲法解釈をとらせてきたのです。

 いま、安倍政権は、戦後70年の平和の歩みを断ち切り、歴代内閣の憲法解釈を根底から覆して、戦争法案を強行し、日本をアメリカとともに「海外で戦争をする国」につくりかえようとしています。しかし、この憲法破壊の暴走に対して、これまでにない広大な人々が抗議の声をあげ、立ち上がっています。いま発揮されている国民のたたかいのエネルギーは、その広がりにおいても、その深さにおいても、空前のものとなっています。それは、戦後70年を経てつくりだされた日本国民の平和と民主主義を希求するエネルギーがいかに巨大なものであるかを示しています。

 「殺し、殺される」日本への逆行を絶対に許してはなりません。

 日本共産党は、「戦争法案を許さない」という一点で、国会内外の共同を広げに広げ、圧倒的な国民世論で安倍政権を包囲し、戦争法案を必ず廃案に追い込むために、全力をあげて奮闘するものです。

 わが党は、北東アジアに平和と安定を築くために、「北東アジア平和協力構想」を提唱し、その実現のために関係各国との対話を続けてきました。この「構想」こそ、安倍政権の戦争法案に対する真の平和的対案であると確信しています。その実現のために、引き続き知恵と力をつくす決意です。

 

村山談話、事実上投げ捨て

 安倍晋三首相は14日、官邸内で記者会見し、戦後70年にあたっての談話を発表しました。安倍談話では、「侵略」「植民地支配」という言葉は盛り込んだものの、日本の行為としては明示せず、戦後50年の村山富市首相談話が示した立場を事実上、投げ捨てました。安倍首相は自らの言葉としても、「反省」「お詫(わ)び」を表明しませんでした。


 安倍談話は、「侵略」について、「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない」などと一般論として記述。「植民地支配から永遠に訣別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない」とするだけで、日本が「国策を誤り」「植民地支配と侵略」を行った事実を認めた村山談話の立場を覆しました。

 首相は、記者会見でも、「具体的にどのような行為が侵略にあたるか否かについては歴史家の議論にゆだねるべきだ」と強調。さらに、安倍談話では、暴力と強圧をもって韓国の植民地化をすすめた日露戦争を「植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけた」とするなど、乱暴に歴史をねじ曲げる姿勢もあらわにしました。

 村山談話が言及した「痛切な反省」「心からのお詫び」についても、安倍談話は歴代内閣の立場を説明する形で、「(わが国は)痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきた」と記述しただけ。さらに、「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」などとする姿勢を見せました。

 一方、安倍談話では「『積極的平和主義』の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献する」と宣言。首相は記者会見で、国会で審議中の戦争法案について「戦争を未然に防ぐためのものだ」などと主張。「日米同盟が完全に機能する、そのことを世界に発信することによって紛争を未然に防ぐ力はさらに強くなっていく」と述べ、法案を強行する姿勢を示しました。

 


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