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沖縄の米海兵隊増強 ― キャンプ・シュワブに1~2個大隊

2016-11-29 | 安保・沖縄を問う!アメリカの占領下か!

 沖縄県名護市の米海兵隊キャンプ・シュワブの第4海兵連隊に歩兵大隊(960人)が、増強派遣されていることが、28日までに分かりました。10月29日から11月4日まで実施された「ブルー・クロマイト2017」演習の参加部隊の実態から判明したもの。安倍内閣が、同基地周辺の辺野古の海を埋め立てて新基地建設を強行しようとする中で、米海兵隊自体も、インド・アジア太平洋地域の有事に、実戦部隊を緊急投入する能力を強化していました。


 演習には、ハワイから沖縄に派遣されている第3海兵連隊第3大隊の500人以上が参加。普天間基地(沖縄県)から陸上自衛隊東富士演習場(静岡県)までMV22オスプレイで地上部隊を運ぶ長距離急襲訓練や、沖縄の海岸で佐世保基地配備の最新鋭のドック型揚陸輸送艦からゴムボートや水陸両用車などを使った揚陸訓練などを実施しました。

 同演習は、沖縄を拠点にインド・アジア太平洋地域の海軍と海兵隊の遠征・揚陸作戦の即応能力の強化を目的に、第4海兵連隊に増強された歩兵大隊が参加する演習として2013年12月から始まりました。

 イラク・アフガニスタン戦争への対応で2003年以来中断していたキャンプ・シュワブへの歩兵大隊の増強が再び始まったのは、米国のイラク撤退完了宣言(11年12月)、アジア・太平洋重視の兵力の再配置「リバランス」(国防戦略ガイダンス「米国の地球規模の指導力の維持・21世紀における国防の優先課題」国防総省12年1月)を受けた12年6月から。米本土やハワイの部隊を半年交代で派遣する部隊展開計画(UDP)に基づくもので、常時歩兵大隊1~2個大隊が派遣されていました。(表)

 米海兵隊ニュースによると、最初に派遣された第3海兵連隊第2大隊副司令官は、同大隊がアフガン派遣を想定し準備し、展開前の訓練を完全に終えた実戦可能部隊であることを明らかにしていました。

図

解説

新たな司令部体制強化

 キャンプ・シュワブ(沖縄県名護市)への海兵隊歩兵大隊増強の背景には、インド・アジア太平洋地域での緊急事態に投入され軍事作戦を指揮する新たな司令部体制の強化があります。その司令部が、キャンプ・コートニー(同県うるま市)にある第3海兵遠征旅団(第3MEB)司令部です。同旅団の主力の陸上戦闘部隊(GCE)を指揮する司令部が、歩兵大隊が増強された第4海兵連隊です。

 第3MEBは軍事物資を積んでグアムやサイパンに待機している事前集積船隊の支援をうけ、24時間以内に展開する恒久的な戦闘司令部です。2011年12月に正式に発足しました。

 第3MEB司令部は、今年3月に韓国で実施した米韓とオーストラリア、ニュージーランドの1万7千人が参加した演習や、フィリピンとの4月、10月の演習など、同盟国・友好国軍との演習を頻繁に実施し、戦闘作戦司令部としての能力を強化しています。

 日本の自衛隊との共同演習でも、12年1~2月に伊丹駐屯地(兵庫県)で行われた、米陸軍と陸上自衛隊の共同指揮所演習「ヤマサクラ61」以降、毎年同演習に、戦闘作戦を指揮する司令部として参加しています。

 MEBは、歩兵大隊3個などの陸上部隊、航空部隊、兵たん部隊を一体で運用する1万6000人規模の戦闘部隊です。歩兵部隊の増強は、砲兵やMV22オスプレイなどの支援部隊の配置や訓練の実施を伴います。

 沖縄には、これとは別に第31海兵遠征隊への1個歩兵大隊が半年交代で派遣されています。

 沖縄の海兵隊増強が、日本各地での海兵隊の演習の拡散と強化につながっています。


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