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仏銃撃事件 多くの課題 - テロ対処・反イスラム感情除去 大統領「国民の団結 最大の“武器”」

2015-01-11 | 国際ニュース・世界情勢

 仏週刊紙シャルリー・エブド本社の銃撃に始まった一連の事件は、これまでに20人の死者を出す悲劇となりました。事件に一応の決着はつきましたが、テロ対策のあり方や反イスラム感情への対応など、多くの課題が残されています。

                                    写真
                                    (写真)仏週刊紙襲撃事件の現場近くで、「連帯」
                                            と書かれた横断幕を広げ、事件に抗議する学生
                                            たち=7日

 フランスのオランド大統領は9日夜に会見し、国民の融和と団結がテロに対処する「最大の武器だ」と強調。「人種差別や反ユダヤ主義を許さず、われわれの分断を図る全てのものにあらがう意思を示さなければならない」と訴えました。併せて、「狂信者や過激主義者は、イスラム教とは一切関係ない」と強調しました。

 一連の事件の容疑者がイスラム過激主義者とみられることから、同国では7日の銃撃事件発生以来、各地でモスク(イスラム礼拝所)への攻撃が続発。9日も、南部サンジュエリや東部エクスレバンのモスクで発砲や放火が起きました。

 一般のイスラム教徒と過激主義者を同一視した報復行為ともとれる犯行に、同国のイスラム教徒は危機感を強めています。

 チュニジア人留学生のアフメド・ヨセフさん(26)は、「イスラム教徒として(モスクへの攻撃は)受け入れられない。テロや殺人はそれだけで許されない行為なのに、なぜ犯人の信仰を区別する必要があるのか。圧倒的多数のイスラム教徒もテロに怒り、おびえている」と語気を強めました。

 仏ニュース番組では事件発生後、多くの識者や専門家が、自国育ちテロ(ホームグロウン・テロ)対策の難しさを指摘。一部では、前科を持ち監視対象にもなっていた容疑者の犯行を防げなかったとして、仏政府を批判する意見もあります。

 テロ拡大への懸念から、欧州連合(EU)加盟国間の移動の自由を定めたシェンゲン協定への疑問も生じています。(パリ=島崎桂)

“自国育ちテロ”の脅威

 一連の事件で、自国育ちテロ(ホームグロウン・テロ)が注目されています。自動小銃で短時間に多くの人命を奪い、警察を撃退して素早く退去。戦闘計画と強い戦闘能力を持つ実行犯は大都会を戦場に変える危険性を示しました。

 自国育ちテロとは、先進国の出身者が過激思想などに感化され、自国を攻撃対象とするテロ行為。2005年のロンドン同時テロや、13年の米ボストン・マラソン会場で起きた爆弾テロ、14年のブリュッセルのユダヤ人博物館でのテロ事件などの例があります。

 イスラム過激派は、インターネットを通じてアラビア語だけでなく、英仏独語など欧州の主要言語で宣伝し、勧誘。イラクやシリアを拠点とする「イスラム国」などへの参戦だけでなく、自国でのテロも呼び掛けています。

 これまでの自国育ちテロは、武器の扱いに不慣れで自爆が主流でしたが、今回のテロは、軍事訓練された実行犯が重武装化し、ある程度の綿密な計画を持っていました。

 シャルリー・エブドで週1回の編集会議が開かれていた時を狙ったことや、仏国内で入手しにくいカラシニコフ自動小銃を使い、短時間で12人を殺害。また3人目の容疑者が直後に別の場所で女性警官を殺害し、ユダヤ食料品店に人質を連れ込んで立てこもり、連携テロを実行したことなどが、それをうかがわせます。

 週刊紙襲撃の実行犯2人は、アルジェリア系フランス人の兄弟で、いずれもパリ生まれで仏国籍でした。(片岡正明)

訓練受けていた実行犯

 パリの新聞社襲撃事件の実行犯のサイド・クアシ容疑者は、イエメンを拠点とするイスラム過激組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」の軍事訓練を受けていたと報じられています。

 AQAPは「イエメンのアルカイダ」とサウジアラビアを拠点としていた「アラビア半島のアルカイダ」が2009年に合流してできました。同組織を率いるイエメン人のナシル・ウハイシ氏は、国際テロ組織アルカイダの最高指導者だったビンラディン容疑者と長く行動をともにしていました。

 AQAPはイエメンとサウジの政府関係者や治安部隊への攻撃に加えて、欧米を標的としたテロ計画を実施。今回襲撃された仏週刊紙シャルリー・エブドなどがイスラム教の預言者ムハンマドを風刺する漫画を掲載するたびに新聞社や作者への攻撃を呼び掛け、欧米各国の過激派個人や少数グループを支援する姿勢を示してきました。

 サイド・クアシ容疑者は09~13年にイエメンを幾度か訪れ、大学でイスラム過激思想を学ぶとともにAQAP施設で訓練を受けたとされます。

 米軍はこの間、イエメンでAQAP掃討を目的とした無人機による軍事作戦を強化。しかし、13年12月には結婚式に向かう車列を空爆し15人を殺害するなど民間人の犠牲が増え続けており、車列空爆の直後にはイエメン国会が無人機攻撃禁止を決議する事態ともなりました。


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