国民の税金を山分けする政党助成金を目当てにした政党の粗製乱造がつづいています。
8日には、昨年解党したみんなの党に所属していた松田公太氏ら参院議員4人に次世代の党議員が加わって、新党「日本を元気にする会」の結党届を東京都選挙管理委員会に提出しました。昨年末には、総選挙で「国会議員数5人以上」という政党要件を失った生活の党に、無所属の山本太郎参院議員が入党し、「生活の党と山本太郎となかまたち」と党名を変更。政党要件を満たしたと届け出ています。
政党助成金の各党の年配分額は、1月1日時点の政党所属の国会議員数などで決まり、16日までに政党の届け出をすれば、政党助成金の受け取りが可能になります。そのため年末年始の新党結成が繰り返されています。5人集めれば助成金という“政党要件”を満たすことが先にありきで、綱領・規約もあとからついてくるのが実態です。
松田氏を党首にする予定の新党「元気にする会」の動きについて、総務省は「一般的に、書類に形式上の不備がなければ届け出は受理される」としており、1月1日に新党の所属議員がどうだったかなどは政党の届け出にまかされているとの考えを示しています。
日本共産党は、政党助成金が政治を劣化させ、政党を堕落させる根源になっているとして、通常国会に政党助成金廃止法案を提出するとしています。
太陽の党に助成金
かけ込みで議員移籍
次世代の党は9日の臨時総務会で、園田博之衆院議員が同党を離党し太陽の党に移籍することを承認しました。園田氏の移籍により、太陽の党は政党助成金の受給資格を得ました。生活の党、日本を元気にする会に続く、助成金を目当てにした“かけ込み”政党です。届出期限は17日。
太陽の党は、園田氏や次世代の平沼赳夫党首らが発起人となり2010年に結成した「たちあがれ日本」に、石原慎太郎元衆院議員らが合流するとともに「党名変更」して12年“結党”しました。
石原氏らが「日本維新の会」に合流したあとも「太陽」は政治団体として存続していました。昨年9月に西村真悟元衆院議員が代表に就きましたが、同氏は年末の衆院選前に離党し次世代から立候補。「太陽」は再び休眠状態になっていました。
「たちあがれ」が10年参院選比例で2%獲得していたことに基づき、園田氏の移籍で政党助成法上の政党要件を満たすことになり、2015年分の政党助成金の受け取りが可能になります。助成金を受け取るためだけの目的で、次世代とは一体関係にある「太陽」に“移籍”をするもの。助成金にむらがるような移籍で、政党・政治家の資格と倫理が問われます。
園田氏自身も、8日の自民党熊本県連の新春の集いで「3カ月ぐらいで自由の身になって皆さんと仕事をしたい」(9日付「熊本日日」)と自民党への復党に意欲を示していると報じられています。