【ニューデリー】トヨタ自動車のインド子会社工場で長期化している工場閉鎖(ロックアウト)問題で22日、事実上敷地内への立ち入りを拒まれていた労働者約4千人が5週間ぶりに工場に復帰しました。会社は労働者が「誓約書」に署名することを職場復帰の条件としてきましたが、州政府の指示を受けて取り下げました。
(写真)仲介を求めて訪れた州労働当局事務
所前で労組幹部の報告を聞くトヨタ・キルロス
カ・モーターの労働者=3月26日、バンガロール
この子会社は南部カルナタカ州バンガロール郊外に2工場を所有するトヨタ・キルロスカ・モーター(TKM)。労使間の仲介にあたっていた州政府労働当局が19日、両者に対し「正常な生産環境の回復」を命令。労働者には職場復帰を、会社側には誓約書の取り下げを求めました。
正社員約4200人でつくるTKM従業員組合のサティシュ書記長は本紙に「大きな前進だ。誓約書への署名要求は不当だとする労働者の訴えを州当局が認めた」と語りました。会社幹部はメディアに「州政府が命令した以上、従うのが双方の義務だ」と述べました。
ただ、争議のきっかけとなった労組の賃上げ要求は未解決。この間に停職処分を受けた組合員30人の扱いについても、労使間の合意は得られていません。これらについては労働裁判所に判断を委ねるといいます。
州当局幹部は現地経済紙に「賃上げなどが法廷に委ねられた以上、誓約書への署名を求め続けることは違法。これは停止命令だ」と語っています。