ドイツのハンブルクで開かれていた20カ国・地域(G20)首脳会議が8日、共同声明を採択して閉幕しました。地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定をめぐりトランプ米政権の孤立がいっそう鮮明になりました。2019年の開催地は日本とすることが決まりました。
共同声明の作成で最も難航したのがパリ協定の扱いでした。離脱を表明しているトランプ大統領は「化石燃料のよりクリーンで効率的な利用」を米国が進めることを声明に書くよう主張。閉幕ぎりぎりまで合意に至らず最終的に米国が主張を押し通し化石燃料の利用を盛り込ませました。
他方、米国を除く19カ国の首脳が「パリ協定は後戻りできないと述べた」と明記しました。しかし、途上国支援に30億ドルを拠出すると約束していた米国の離脱で途上国の資金難が浮上。トルコのエルドアン大統領は「われわれは国会による(パリ協定)批准見送りに向かっている」と述べました。
貿易問題をめぐって共同声明は「保護主義と引き続きたたかう」と表明。他方で「正当な防衛措置の役割を認識する」という文言を付け加えました。鉄鋼の輸入制限などに言及している米国の主張に沿ったものです。