「やったー。勝ったぞー」。16日投開票の新潟県知事選で、市民と共産、自由(旧生活)、社民、新社会、緑の5党が擁立した米山隆一氏(49)が、自民・公明党推薦の森民夫氏(67)=前長岡市長=を大接戦の末に破り初当選を果たしました。東京電力柏崎刈羽原発の再稼働が大争点の選挙戦。最終盤に官邸、自民党本部、電力業界を中心とする財界の激烈な締め付けをはね返した、市民と野党による歴史的な大勝利です。
(写真)当選を喜ぶ米山隆一知事候補(中央)と支持者
=16日、新潟市の米山選挙事務所
午後9時、当選確実の報が流れた新潟市中央区の米山事務所。詰めかけた市民や支援者から「ばんざーい、ばんざーい」と大歓声が起こるとともに、「よーねやま、よーねやま」コールに包まれました。いたるところで支援者が抱き合ったり、握手を交わすなど喜びを表しました。
事務所に姿を現した米山氏は「県民みなさんの勝利です。オール新潟の勝利です」とあいさつし、原発再稼働ストップ、TPPから新潟の農業を守るといった、選挙中に掲げた公約実現のために、みなさんの力を借りながら全力で頑張ると決意表明しました。
選対本部長の森裕子参院議員は「再稼働を絶対許さない県民の意思が示されたものだ」と強調すると、大きな拍手に包まれました。日本共産党の藤野保史衆院議員も事務所に駆けつけました。
NHKの出口調査によると、柏崎刈羽原発の再稼働に対し「反対」と答えた人が73%に上り、そのうち6割台が米山候補を支持しました。
米山氏を擁立した確認団体「新潟に新しいリーダーを誕生させる会」(市民と5野党で構成)の佐々木寛共同代表の音頭で万歳三唱し、同共同代表の磯貝潤子さんが米山氏に花束を渡しました。
佐々木氏は「本当に奇跡が起きた。新しい新潟が始まる」とのべました。
森陣営は、終盤に「横一線」との情勢が報じられる中、党幹部や国会議員を大量動員して「県庁に赤旗が立つ」などの卑劣な攻撃や、再稼働問題で「米山氏と違いはない」などと争点回避に躍起でしたが、市民の理解は得られませんでした。
米山氏は、新潟県魚沼市出身。東京大学医学部卒で医師、弁護士。2005年、09年、12年の衆院選新潟5区から立候補。
日本政治の前途に大きな希望
― 志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は16日、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を最大争点とする新潟県知事選で、野党と市民の統一候補としてたたかった米山隆一氏が勝利した結果を受け、党本部で記者会見を行い、次のように述べました。小池晃書記局長が同席しました。
一、米山隆一さん勝利という素晴らしい選択をされた新潟県民のみなさんに、心からの敬意と感謝を申し上げたいと思います。
一、米山隆一さんの勝利は、何よりもまず、「柏崎刈羽原発の再稼働を認めない」という県民の明瞭な審判を示すものです。私は、政府と東京電力に対して、この県民の審判を重く受け止めることを強く求めたいと思います。
一、米山隆一さんの勝利は、野党と市民が本気で力をあわせるならば、1プラス1が3にも4にもなり、政府・与党の激しい攻撃をはねかえして、勝利することができることを示しました。
この勝利は、新潟にとどまらず、日本全国での野党と市民の共闘の新たな発展を促し、日本の政治の前途に大きな希望をもたらす文字通りの歴史的勝利となりました。
一、日本共産党は、他の野党、市民とともに、米山新知事を支え、米山新県政を発展させるために、全力をつくす決意です。