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きょうの潮流

2017-10-01 | コラム

「希望は誰にでもある。何事においても絶望するよりは希望を持つほうがいい。先のことなど誰にもわからないのだから」。ドイツの詩人ゲーテの言葉です▼人生の黄金の樹は緑に繁っている―。『ファウスト』にそう書いたゲーテは、才気にあふれ、幅ひろい分野で活躍。前向きで希望に満ちた人だったと頭木(かしらぎ)弘樹さんが『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』に書いています▼政界ではいま希望が独り歩きしています。小池百合子・都知事ひきいる新党「希望の党」。綱領をみても、小池氏がよく口にする「しがらみのない政治」「日本をリセットする」をとっても、希望を抱かせる中身は何もありません▼はっきりしているのは民進党の議員を受け入れるための踏み絵、戦争法と改憲の容認だけ。顔ぶれをみても、自民党政治の中枢にいた人や極右、タカ派の集まりです。小池氏自身も改憲右翼団体「日本会議」の議連幹部を務めてきました。そこにあるのは安倍首相にも通じる野望です▼情けないのは政党間の合意や市民との約束を投げ捨てた民進党です。信念を曲げ、選別の屈辱を味わってまで保身に走るのか。ともにアベ政治とたたかってきた人びとはその動向を注視しています▼きょうから10月。衣を替え、外見を飾る勢力うごめく政治の劇場化。そのなかで大義を掲げ続ける党と市民との共闘こそ、希望の光です。200年前の秋、ゲーテはこんな詩も。「厚い雲、たちこめる霧、激しい雨の中から、希望はわれわれを救い出す」

 

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