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防衛省委託 辺野古警備会社がパワハラ ― 従業員が告発“密室同然の船内で暴力・暴言”

2017-07-06 | 人権・生存権・労働者の権利を守ろう

“警備艇の漏れた燃料、船長命令で海中投棄、巡視船に隠れて10回以上”

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で、防衛省沖縄防衛局から海上警備を受注しているマリンセキュリティー(沖縄市)のパワーハラスメントの実態が複数の従業員の証言で明らかになりました。警備艇の燃料タンクから漏れた燃料を海中投棄していたことも告発されています。

 辺野古の海上で新基地反対運動の警備にあたる同社の警備艇では、船長から従業員に対する暴言や嫌がらせが常態化していました。

 複数の従業員から寄せられた証言によると、「くさい」と言われ船外に追い出されたり、蹴るなどの暴力をふるわれたりしたほか、「頭がおかしいんじゃないの」などと怒鳴られる、「おまえは使えないやつだ」などとののしられる、仕事をさせてもらえない、徹底的な無視といった行為が日常的に行われていました。

 監視業務を1人に押し付けられ、限界を感じ船長に応援を頼んだ際、「これくらいもできねえのか」と怒鳴られ、携帯電話を投げつけられたことや、出勤前の朝礼の際、ある船員のミスについて説教し、今後もミスがあればその船員を「船から海へ落とす」との脅しがあり、身の危険を感じたということもありました。

 通常であれば1時間で交代する、マイクでアナウンスをする「広報」の業務を担当した際、3時間近くさせられて声が出なくなり、少し休憩が欲しいと訴えたものの、業務を続けさせられたといったこともありました。

 「密室同然の船の中で、怒鳴り散らされるのは、苦痛以外のなにものでもない」との声も。こうした実態を会社に話しても改善されず、体調を崩し、退社した人も多くいるといいます

 また、警備艇「かしま」では、故障でタンクから漏れた燃料を、船長命令で辺野古崎の長島付近で海に捨てていたといいます。3泊4日の業務を終えて帰る際、海上保安庁の巡視船から見つからない場所で船長が指示し、ポンプなどで海に流していました。会社に修理を依頼しても今は船がないなどとして、2カ月ほど、少なくとも10回以上は燃料の海中投棄があったといいます。

 最初にパワハラの相談を受けた日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は、「辺野古で新基地反対運動に対する人権蹂躙(じゅうりん)の警備をさせてきた防衛局の警備強化のあり方が、こうした結果を生み出している」と指摘。「燃料投棄も重大な違法行為。防衛局が徹底的に調査し、解決策を示すべきだ」と強調します。

 同じく相談を受けた社会保険労務士の吉田務氏は、「重大な労働基準法違反が行われている。こんなずさんな労務管理が行われている企業に防衛局が業務委託していることも問題。委託先の防衛局の責任も問われる」と話します。


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