沖縄 「殴り込み能力」を強化
米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの着艦訓練場として、爆音被害などが激化している伊江島補助飛行場(沖縄県伊江村)に、オスプレイが使用する新たな着陸帯が6カ所、建設されていることが分かりました。3日から普天間基地(同県宜野湾市)への追加配備も始まり、住民の間にはさらなる訓練激化を懸念する声が高まっています。
在沖縄米海兵隊司令部は本紙の質問に対し、「約1カ月前から着工し、今夏に完成する」と回答。「オスプレイを含む垂直離着陸が可能な軍用機が使用する」として、オスプレイ用の着陸帯であることを認めました。
また、6カ所のうち4カ所は、アルミ板を敷く「AM2」と呼ばれるタイプで、「遠征飛行訓練に使用する」としています。強襲揚陸艦への着艦訓練を行うとみられます。残る2カ所は砕いたサンゴ礁を敷いた「コーラル」タイプです。不整地での離着陸を想定したものとみられます。いずれも、海外への殴りこみ能力を強化するものです。
目撃者の証言によると、着陸帯はおおむね、50メートル四方の広さです。
オスプレイ配備に伴う「環境レビュー」(昨年6月公表)によれば、伊江島では強襲揚陸艦への着艦訓練を行うため、従来のCH46ヘリと比べて年間運用回数が約4000回増えます。
ただ、新たな着陸帯は「環境レビュー」に示されておらず、日本政府も伊江村に対して、既存のハリアーパッドや滑走路を使用して訓練すると説明していました。今後、さらなる訓練の拡大につながる危険もあります。