政府は22日の国家安全保障会議(NSC)で、平時や武力攻撃に至らない「グレーゾーン事態」の際に米艦船などの防護を行う「武器等防護」の運用指針を決めました。まず米軍を対象として、同日、運用を開始しました。
安保法制=戦争法に基づく新たな任務で、南スーダンに派遣した陸自部隊への「駆け付け警護」を含む新任務付与に続くもの。米軍・自衛隊の一体化がより加速することになると同時に、米軍の戦争に巻き込まれる危険が高まります。
指針は、安保法制整備の一環で改定された自衛隊法95条に関するもので、米軍だけでなく、他国軍隊も対象。具体的にはオーストラリア軍を念頭に置いています。
具体的な活動としては、
(1)弾道ミサイルの警戒を含む情報収集・警戒監視活動
(2)「地球規模で米軍の戦争を支援する重要影響事態」での輸送・補給活動
(3)共同演習
―を例示しています。
防護の実施に当たっては、他国軍隊からの要請に基づき、防衛相が「主体的に判断する」と明記しました。しかし、実際は米軍の情報に依存しての「判断」となります。
また、他国軍隊からの要請が初めての場合や、防護が第三国の領域である場合などはNSCでの審議を求めました。緊急の要請で時間的余裕がない場合はNSCへの事後報告も認めました。