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ドイツ 年金改革を提案 ― 67歳→63歳支給 母親年金・病気退職時の増額も

2014-02-02 | 国際ニュース・世界情勢

 ドイツのナーレス労働社会相は1月29日、連邦議会で労働社会政策の施政方針演説を行い、年金支給年齢をこれまでの67歳から63歳に引き下げることを含む年金改革を正式提案しました。欧州各国では緊縮財政のおり、年金支給年齢引き上げを実施する国が続出しており、大国ドイツの受給年齢引き下げ改革は波紋を広げそうです。

 


 ドイツでは2007年に、年金支給年齢を65歳から段階的に67歳に引き上げる法案が成立しましたが、労組や社会民主党(SPD)、左翼党などが反対を主張し続け、昨年の総選挙でも社会的公正をめぐる争点の一つになっていました。

 選挙後にメルケル首相率いる与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)とSPDの協議で連立協定に盛り込まれていたもので、担当するナーレス氏もSPD出身です。

 受給年齢の引き下げでは、45年の年金保険料納付期間があれば、63歳から年金を受け取れるようにします。その際、5年までの失業期間は納付期間に換算。その結果、45年納付期間がない場合でも65歳から年金受給が可能となり、18歳から働く人の多数が63歳から年金をもらえるようになります

 また、旧西独地域では、保育園が不足し、母親が一定期間、休職せざるを得ない状況があるのを反映し、母親年金を設定。子どもの養育期間2年間分を納付期間に加えます。養育した子ども1人につき、旧西独地域で月額28・14ユーロ(約3940円)、旧東独地域で25・74ユーロ(約3604円)を年金に上乗せします。

 さらに、病気による早期退職時の年金額を平均で月額45ユーロ増額することなどが盛り込まれています。連邦議会で採択されれば今年7月から実施される予定です。

 財政的には好転しているドイツですが、年金改革にかかる予算は、2030年までに1600億ユーロ(約22兆4000億円)。ハンブルク経済研究所(HWWI)は、少子高齢化が進むドイツで将来の世代に負担をかけるものだと批判しており、年金改革案はなお論議を呼んでいます。


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