総選挙(10日公示、22日投開票)が迫るなか、衆院解散後、初の党首討論が7日夜、インターネット動画サイト「ニコニコ動画」で行われました。外交・安全保障、憲法改定などのテーマで論戦を交わしました。
日本共産党の志位和夫委員長は北朝鮮問題で、米朝の軍事的緊張が高まるもと、危機打開のために、いまこそ米朝が直接対話に踏み出すことが必要だと述べ、「経済制裁の強化と一体に対話による平和的解決に力を尽くすべきだ」と強調しました。
安倍晋三首相(自民党総裁)は「対話のための対話は意味がない」と発言。志位氏は、「米オバマ政権になって、『戦略的忍耐』ということで、北朝鮮が非核化の意思と行動を示すまでは対話に応じないという『対話拒否論』をとってきたことが、その間に、北朝鮮に核・ミサイルの野放しの開発をさせてしまった。対話をしなかったことがいまの事態を招いている」と指摘し、対話に踏み込むことが大切だと述べました。
安倍首相が「全ての選択肢はテーブルの上にある、という米国の立場を一貫して支持する」と繰り返していることについて、志位氏は「選択肢」の中には「軍事的選択肢」―「先制的な軍事力行使」が含まれると指摘。「北朝鮮の軍事挑発は断じて許されないが、それに対して軍事オプションで対応するということになると、深刻な戦争の危険が生まれてくる。軍事的オプションはとるべきではないとはっきり米国に迫るべきだ」と求めましたが、安倍首相は明言を避けました。
憲法改定をめぐり、志位氏は、安倍首相が狙う、憲法9条に自衛隊を明記する改憲について、戦力不保持を定めた9条2項を空文化させ無制限の海外での武力行使に道を開くものだと告発。同時に、違憲の安保法制=戦争法を合憲にすることになるとして、「安倍9条改憲を許さないという一点でのたたかいを広げたい」と表明しました。