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米トランプ政 若年移民保護を撤廃 80万人 本国送還の恐れ

2017-09-07 | 国際ニュース・世界情勢

【ワシントン=遠藤誠二】米トランプ政権は5日、15歳以下で米国に渡った不法移民の強制送還を免除する政策(DACA)を終了させることを決定しました。子ども時代に親に連れられ不法入国した「ドリーマーズ(夢見る人)」と呼ばれる80万人の若者が本国に送られる恐れが出ており、オバマ前大統領、一部共和党議員、経済界代表らが一斉に批判。ニューヨーク、ワシントンの両州は、訴訟に持ち込む構えです。

批判噴出 訴訟も

 政策撤廃はトランプ大統領でなくセッションズ司法長官が発表しました。米国滞在を認めた若者の未来を奪うとの非難を受け、大統領は6カ月間の猶予を設け、議会が法制化にむけ取り組むことになります。

 DACAはオバマ前政権時代に大統領令によって始まりました。親とともに不法入国した子どもの強制送還を免除し、滞在や就労を認めるもの。期間は2年間で更新できます。制度の始まった2012年6月15日で31歳以下、米国に渡った時に16歳の誕生日以前、07年6月15日から現在まで継続的に米国に在住しているなどの要件があります。多くがメキシコはじめ中南米から来た若者です。

 オバマ前大統領は5日、「残酷」「自己破滅的」「間違っている」などとフェイスブックに投稿。「われわれはこれら若者たちの未来を脅かしてはならない。彼らは自分たちの責任で米国に(不法に)来たわけではない」と指摘し、決定を厳しく批判しました。

 トランプ大統領は就任直後、不法移民取り締まり強化策など、移民に不寛容な政策をとり続けています。DACA廃止をめぐっては、共和党内でも賛否が分かれ、議会では超党派で打開策を協議する予定です。

 数十万人の「ドリーマーズ」はすでに米国内の雇用に深く根差しているため、経済界代表は強く反対しています。フェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、「私たちの国にとって悲しい日となった」と投稿。アップル社のクックCEOは「(アップルの)250人の従業員がドリーマーズだ。私は彼らを支援する」とツイートしました。

 ニューヨーク州とワシントン州は4日までに、トランプ大統領が正式に撤回を表明した場合、「ドリーマーズ」を保護するため、法的な手段も辞さないとの声明をそれぞれ発表しました。

 

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