日本共産党の志位和夫委員長は8日、日本外国特派員協会で記者会見し、激戦が続く総選挙(14日投票)について「安倍政権の暴走と正面から対決し、日本の政治の転換を目指す立場でたたかっています。選挙後半戦に入りましたが、国民の新たな関心、期待が広がりつつあることを感じます。躍進の可能性が生まれていると考えています。残る6日の奮闘で現実のものにしたい」と語りました。
特派員からの質問は、他の野党との選挙協力から、社会主義・共産主義まで幅広く及びました。
志位氏は、「今回、共産党は大きく躍進する」といわれていることの理由を問われ、「まだ躍進は現実のものとなっていないので答えは難しい」と断りを入れつつ、「安倍政権のあまりに民意に背く暴走をとめてくれる政党はどこか。国民の立場にたってブレない日本共産党こそ立ち向かえるのではないかという(国民の)期待を感じています。同時に、経済でも外交でも対案を提示してきた点も評価を受けています。生まれている躍進のチャンスを現実のものにしたい」と述べました。
また、なぜ他の野党と妥協して選挙協力しないのかと問われ、沖縄1~4区で保革を超えた共闘ができていることを強調する一方で、「全国的には野党間の選挙協力の条件はありません」と言明しました。
その上で、「消費税増税、『アベノミクス』、原発再稼働、集団的自衛権、沖縄新基地建設―五つの問題で、民主党は安倍政権に対抗する足場がもてません。維新の党の立場は、安倍政権よりもっと右の立場です。そのもとでは、日本共産党がすべての選挙区で候補者を擁立し、対決し、論戦で追い詰めていくことが安倍政権に対する一番の痛打となります」「今度の選挙で躍進を勝ち取れば、日本の政党状況に前向きの変化をもたらす可能性があります」と強調しました。
さらに、自民党がすべてを支配できるような選挙結果が出たらどうなるのかと問われ、志位委員長は「結果を推測するのは難しい」と述べつつ、「その場合は、もっとも強力な対決者は日本共産党になります」と話しました。かりに国会で多数を占めても、どの問題でも国民世論では多数が反対していると指摘し、「日本共産党は国民との共同で安倍政権を包囲します。政党間の可能な協力を追求しますが、何より国民との協力を追求します」と語りました。
政策はすばらしいが、「共産主義」は経済をつぶすのではないか、党名を変えないのか、と問われました。
志位委員長は「今の特徴は、『こうなったら共産党でもいい』という声も多いのですよ」と述べて笑いを誘いつつ、「人類の社会は資本主義で終わりだと思っていません」として、二つの点―(1)まず資本主義の枠内での民主的改革を行い、その上で国民合意で未来にさらに進む(2)旧ソ連のような人民抑圧・他国侵略は社会主義とは無縁のものとしてキッパリ退ける―と強調。「資本主義で達成されたあらゆる自由と民主主義を発展的に継承し、花開く社会を目指しています」と述べました。
また、党名に関しても「理想社会が刻まれた名前であり、92年の不屈の歴史が刻まれた名前です。変えるつもりはありません」と表明しました。