全国の原発再稼働の突破口に狙われる川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の受け入れをめぐり6月県議会開会日の13日、再稼働反対を訴える行動集会(90団体でつくる「ストップ再稼働!3・11鹿児島集会実行委員会」主催)が鹿児島県庁前で開かれました。1000人を超える参加者は午前、午後にわたる集会や議会傍聴を行い、伊藤祐一郎県知事と県議に再稼働反対を要請しました。
参加者は、全九州で取り組んできた再稼働反対を求める12万3364人分の署名も知事あてに提出。知事は議会冒頭、実行委が指摘してきた要援護者の避難計画の不備について一切ふれず、批判の声が上がりました。
集会では、主催者を代表して「原発ゼロをめざす県民の会」の井上森雄筆頭代表委員が「今こそ原発ゼロをめざす(世論の)マグマを大爆発させよう」とあいさつ。
実行委員会事務局の杉原洋さんは「再稼働は地元の同意がなければならない。まともな議論なしに再稼働決定をしないよう知事や県議に突きつけるために集まった。ずさんな避難計画のもとで再稼働など許すことはできない」と訴えました。
原発立地自治体の薩摩川内市から鳥原良子さん(65)が「福島原発事故の原因究明も収束もままならない中、なぜ再稼働なのか」と問いかけ、「知事や県議は私たちの声を無視しないでください」と訴えました。
(写真)「川内原発再稼働反対!」とコールし
ながら九電に向かって歩く参加者たち
=13日、鹿児島県庁前
集会に連帯し、まつざき真琴・日本共産党県議らがあいさつしました。
参加者は九州電力鹿児島支社までデモ行進し、再稼働をやめるよう申し入れました。
鹿児島県庁前で1000人の参加者が「川内原発再稼働を強行するな」と声を上げた13日の「県議会行動集会」には、九州・沖縄、四国、東海、北陸、首都圏、北海道など全国各地から参加者が駆けつけました。強い日差しの中、「原発いらんばい」「他の電気でよかろうもん」の文字の博多どんたくの仮装や、うちわ、パラソルなどでアピールしました。
川内原発から50キロ圏内の熊本県水俣市から参加した「原発ゼロをめざす水俣の会」の元村義晴代表は「水俣はチッソ、福島は東京電力という企業の利益のために市民の健康が破壊された。原発再稼働を止め、廃炉させるためにともに頑張りましょう」と語りました。
「脱原発ネットワーク・九州」の深江守代表は、署名・対話の中で「再稼働反対の声が九州各地から寄せられている」と強調。「九州全体の力を結集し、再稼働を止めよう」と呼びかけました。
東京からは、「鹿児島ツアー」を組んで100人以上が参加。毎週金曜日の首相官邸前抗議行動に参加している東京都墨田区の男性(70)は「川内原発は、火山や地震の危険が高く、危険です。東京でも行動していると知ってもらい、鹿児島の人とも一緒に声を上げていきたい」と話しました。
集会では、原発をなくす全国連絡会の盛本達也氏(全労連常任幹事)、長瀬文雄氏(全日本民医連副会長)らが次々と連帯あいさつしました。
官邸前抗議行動
― 市民の力で再稼働止める
首都圏反原発連合(反原連)は13日、首相官邸前抗議行動をおこないました。インターネットのツイッターで行動を知って初めて参加した29歳の女性の姿も。九州電力川内(せんだい)原発の再稼働を狙う安倍晋三政権に対し、2800人の参加者(主催者発表)が「原発やめろ」「再稼働反対」とコールしました。
「全原発再稼働断念しろ!」と書いたプラカードを持って参加した千葉県習志野市の男性(65)は「いま原発稼働ゼロでも不自由はない。福島事故でいかに原発が怖いものか痛感した。千葉でも放射能汚染の被害が尾を引いている。だから再稼働はやめてほしい」と話しました。
同県鴨川市で子育て中の母親らと原発について学んでいる女性(70)は「再稼働や原発輸出を進める安倍首相は許せない。暴走を止めないとみんなの命や暮らしは守れない」といいます。
ほぼ毎週、官邸前抗議行動に参加するさいたま市の会社員の男性(49)は「川内原発の再稼働に反対する九州の抗議行動に連帯して東京で声を上げています。市民が立ち上がれば、再稼働を止める力になる」。
東京都大田区の男性は「安倍首相が思い通りに再稼働できないのは、毎週、官邸前や全国各地で再稼働反対の声をあげているからだ。川内原発の再稼働を阻止し、全国の原発再稼働の歯止めにしたい」と語りました。
笠井・吉良氏参加し訴え
日本共産党の笠井亮衆院議員と吉良よし子参院議員は13日、原発に反対する首相官邸前抗議行動に参加し、国会正門前でスピーチしました。
吉良議員は、「世論調査では6割が再稼働に反対し、8割が原発のない社会を望んでいます。政府は大多数の国民の声を聞け」と訴えました。
笠井議員は、この日、川内原発再稼働反対を掲げて多くの人が鹿児島県庁前に集まったとのべ、「官邸前行動は鹿児島の行動ともつながっている」と語りました。