10/17(火) 21:47配信(毎日新聞)
◇浜松基地南31キロの太平洋上 機長ら乗員4人
17日午後6時ごろ、航空自衛隊浜松基地(浜松市西区)の南約31キロの太平洋上で、同基地所属のUH60J救難ヘリコプターが訓練中にレーダーから消え、連絡が取れなくなった。空自が救難捜索機などで周辺を捜したところ、ヘリの部品のようなものが洋上で見つかった。空自はヘリが墜落した可能性があるとみて、機長の花房明寛3等空佐(42)ら乗っていた4人の隊員や機体を捜索している。
空自によると、UH60Jは浜松基地の浜松救難隊所属。レーダーから消える約10分前の17日午後5時50分ごろに基地を飛び立ち、夜間の洋上で要救助者を捜索する訓練をしていた。午後6時40分ごろ、別の救難ヘリと捜索機が周辺海域で捜索を始め、部品のようなものが浮かんでいるのを目視で確認したという。
小野寺五典防衛相は午後7時過ぎ、防衛省で報道陣の取材に応じ、ヘリの墜落の可能性について「まだ分からない」とした上で「引き続き捜索に当たるよう、しっかり指示していきたい」と話した。
UH60Jは米国製の救難ヘリ「ブラック・ホーク」の改造型で、1988年度から調達が始まった。全長15.6メートル、幅5.4メートル。救助者を捜索するための赤外線暗視装置や気象レーダーなどを備えており、航続距離が最大約1300キロと長いのが特徴。最大5人が搭乗できる。
自衛隊では今年、大きな航空機事故が相次いでいる。5月に北海道の山中に陸自の連絡偵察機が墜落して乗員4人が死亡。8月には海自岩国航空基地(山口県岩国市)で輸送ヘリが横転して4人が負傷したほか、青森県沖で海自の哨戒ヘリが墜落し、1人は救助されたものの3人が行方不明になっている。【前谷宏】