10日公示の衆院選に向け、与野党の主要政策がそろいつつある。自民、公明、希望、日本維新の会4党は憲法改正を支持し、立憲民主党と共産党は慎重・反対の立場だ。一方、2019年10月からの消費税増税については、自公両党が実施を訴えるのに対し、希望や立憲民主党は先送りを主張。項目によって違いがくっきりと表れている。
選挙戦は、(1)自公(2)希望・維新(3)立憲民主、共産など―の3極が争う構図が固まりつつあるが、各党の主張は必ずしもこうした対立の図式と重なり合わないのが今回の特徴だ。
自民党は公約に、9条改正などを国会発議し、改憲を目指すことを明記した。公明党も公約骨子で、憲法に関する党の基本姿勢を打ち出す方針。希望は公認候補に改憲支持を約束させており、維新を含む4党が主な「改憲勢力」と位置付けられそうだ。
ただ、安倍晋三首相が打ち出した自衛隊の根拠規定を追加する9条改正について、希望の小池百合子代表(東京都知事)は「3項を付け加えるのは理解に苦しむ」と疑問を呈した。各党の改憲項目の優先順位は主張を吟味する必要がある。
立憲民主党の枝野幸男代表は、改憲自体を否定はしないものの「安全保障法制という違憲部分を含んだものが存在する中で自衛隊を明記すれば、違憲部分を追認することになる」と指摘。9条改正反対で共産党と足並みをそろえる。
安保関連法に関する各党の主張も、憲法をめぐるそれぞれの立ち位置と重なる。希望も基本的には安保法支持の立場だ。
一方、憲法、安保政策の各党の立ち位置とがらりと変わるのが消費税増税をめぐる問題だ。
自民党は19年10月の消費税増収分の使途を変更して教育無償化にも充当するプランを掲げ、公明党も同調している。
これに対し、希望は「ただ増税では消費を冷え込ませるだけだ」(小池氏)と主張。立憲民主党も「増税を予定通り実行することは国民の理解を得られない」(枝野氏)とし、維新を合わせたこれら3党は増税凍結の立場でそろう。
原発政策でも、希望は「30年原発ゼロ」を掲げ、自公両党との違いをアピールする構えだ。希望は原発政策ではむしろ、民進党の政策を引き継ぐとしている立憲民主党や共産党に近い。
10/3(火) 21:15配信 時事通信社