公文書管理まで私物化
安倍晋三首相主催「桜を見る会」の私物化問題をめぐり、内閣府が国会での追及を逃れるために招待者名簿を廃棄していたのではないかとの疑惑が浮上しています。政府は、国会を愚弄(ぐろう)する重大な疑惑の事実を明らかにすべきです。
内閣府は14日の野党合同ヒアリングで、招待者名簿を5月9日に廃棄したと明らかにしました。
「桜を見る会」を国会で初めてただしたのは、5月13日の衆院決算行政監視委員会での日本共産党の宮本徹議員の質問です。その質問の準備のために宮本氏が内閣府に招待者が増加した理由や選考基準などの資料を要求したのが5月9日でした。同氏の資料要求当日に内閣府が「招待者名簿」を廃棄したことになります。
菅義偉官房長官は15日の記者会見で「招待者名簿」の廃棄について問われ、「従前から保存期間1年未満文書として終了後遅滞なく廃棄する、との取り扱いをしている」として、宮本氏の資料要求当日に名簿を廃棄した事実は「(記者会見で)初めて聞いた」などと答えました。
内閣府はヒアリングで、「招待者名簿」の保存期間を「1年未満」と定めたのは「2018年4月1日」だったと証言。文書管理に関する政府の統一方針として17年12月に保存期間「1年未満の文書」という区分を設けたことに基づくものだと説明しました。17年12月は「森友・加計問題」で公文書管理のあり方が焦点となっていた時期でした。
「森友・加計疑惑」での安倍首相のウソをかばうために「見直し」た文書管理を利用して「桜を見る会」問題での野党の追及から逃れる―。公文書管理規則さえ“私物化”していたのではとの疑惑さえ浮かび上がっているのです。
疑惑解明へ全力
宮本徹議員のコメント 国民の代表からなる国会の監視を逃れるために名簿などの資料を廃棄したのであれば、三権分立と民主主義を踏みにじるもので、許しがたい。野党で結束して疑惑を徹底解明するために力をつくします。