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きょうの潮流

2017-08-05 | コラム

清らかな水が流れ、谷間に広がる棚田。そこは日本の原風景に出合える美しい山里でした。「それが、がらっと変わってしまった。まだ信じられん」▼福岡・東峰村にあるJR日田彦山線の筑前岩屋駅。川をはさんだ対岸の家に70年住み続けている老人は無念の表情をにじませます。道は寸断され電信柱はなぎ倒され、大量の土石や流木で埋まった川の水は濁ったまま。趣があった木造駅舎の周りは見る影もありません▼九州北部に甚大な被害をもたらした豪雨から1カ月。傷痕の生々しさは今も至る所に。削られた山肌、引きちぎられたように壊れた家々、土砂に埋もれた生活用品や車。いまだ手つかずの地域や行方不明者がいるように被害の全容はつかめていません▼避難所生活を送る66歳の男性は途方に暮れていました。「この先どうしたらいいのか…。まさか雨で家まで持っていかれるとは」。猛暑の中、家に入った泥をかき出していた女性は「台風が近づいているし、不安や恐怖が消えない」▼被害は広範囲に及び、同じ集落でも状況はさまざま。秋の収穫にむけて農地や果樹の整備も急がれます。被災地を奔走する日本共産党の高瀬菜穂子・福岡県議は柔軟で伴走型の支援が欠かせないと。「復興への道のりは長い。国はあらゆる手だてを尽くして」▼豪雨災害後、江戸時代から農村を支えてきた朝倉市のシンボル「三連水車」が約1カ月ぶりに動きだしました。再び、力強く回り始めた水車。必死に前を向く人びとを励ますかのように。

 

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