「森友」「加計」疑惑や防衛省の「日報」問題をあげて「深く反省」「国民の声に耳を澄ます」(安倍晋三首相)とした改造内閣。しかし、各閣僚は就任後の会見で、民意に応えない無反省な発言を連発しています。
林芳正文科相は、加計学園の獣医学部新設をめぐる文科省の内部文書について「現時点で再調査する考えはない」と発言。小野寺五典防衛相は「日報」問題で、特別防衛監察で示した「再発防止」策を強調するだけで、稲田朋美前防衛相の隠蔽(いんぺい)への関与についての真相解明には触れませんでした。沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設では、「辺野古が唯一の解決策というスタンスは一貫している」と、沖縄県民の民意を無視した強権姿勢を示しました。
上川陽子法相は、「共謀罪」法の運用について首相から特別に指示を受けたとし、「共謀罪」を発動していく姿勢を示しました。まさに反省にはほど遠い悪政推進の姿勢が露骨です。
一方で、安倍首相が執念を燃やす憲法改定については、「スケジュールありきではない」「党主導でやっていただく」と、自ら期限まで切って主導する従来の姿勢をトーンダウンさせ、側近議員も「軌道修正」を口にせざるを得ない状況です。国民の怒りを恐れる政権の姿を示しました。ただ、自民党内の改憲原案作成の論議は引き続き進め、いつでも国会に提示できるよう準備が進められます。