米国によるマーシャル諸島・ビキニ環礁での水爆実験で多くの日本漁船が被災して61年を迎えた1日、水爆実験で死の灰を浴び、亡くなった故久保山愛吉さん=元第五福竜丸無線長=への献花墓参行進が、静岡県焼津市で行われました。
(写真)久保山愛吉氏の遺影を先頭に墓参行進
をする人たち=1日、静岡県焼津市
小雨のなか、被爆70年を核兵器のない世界への転換点にしようと、約1600人がJR焼津駅から墓がある弘徳院まで行進しました。久保山さんの遺影を持って先頭を歩いた尾川悠さん(31)=静岡県島田市=は「核兵器は使用されれば、取り返しがつかない。『原水爆の被害者は私を最後に』の言葉の通り、着実に廃絶に向かってほしい」と話しました。
「静岡県原水爆被害者の会」のタスキをかけていた小川武美さん(71)は「私は2歳の時に長崎で被爆しました。憎しみの連鎖でなく、平和で暮らしていけるというのが私たちの願いです」と行進しました。
核不拡散条約(NPT)再検討会議に参加する若者で初めて焼津を訪ねた鳥取市の澤翔太さんは「核兵器や原発の危険性を認めないで国民をだます日本の政府は許せません。NPTに参加できるのは貴重な経験。みなさんの核廃絶の願いを届け、しっかり学び成長したい」と話しました。
弘徳院での墓前祭では、久保山さんの追悼後、各代表団が核兵器廃絶に向けた誓いの言葉を述べました。日本共産党の島津幸広衆院議員は「今年を核兵器のない世界に向けた転機の年にしていくため、党として全力をあげる」と語りました。
核兵器廃絶へ新たな出発点に
― 静岡 3・1 ビキニデー国際交流会議開く
1954年に米国がマーシャル諸島・ビキニ環礁で行った水爆実験で日本の漁船が被災した「ビキニ事件」の犠牲者を追悼し、核兵器廃絶への誓いを新たにする「2015年3・1ビキニデー」行動が27日、静岡市内で始まりました。初日は、原水爆禁止日本協議会(日本原水協)全国集会の国際交流会議が開かれ、海外代表3人を含む137人が参加しました。
日本原水協の沢田昭二代表理事があいさつし、「NPT(核不拡散条約)再検討会議にむけて、核兵器廃絶を求める運動の新たな出発点となる集会としよう」と呼び掛けました。
(写真)核兵器廃絶に向けた取り組みを話し
合う国際交流会議参加者たち
=27日、静岡市駿河区
海外代表を含む4人が問題提起。アメリカフレンズ奉仕委員会のジョゼフ・ガーソン氏は、「NPT再検討会議に、核兵器廃絶を求める人びとの声で強大な影響力を与えることが重要だ」と訴えました。
韓国・参与連帯のイ・ミヒョン氏は、「NPT再検討会議は、北東アジアの核の脅威と軍備競争を止めるチャンスだ」と強調。マーシャル諸島共和国のピーター・アンジャイン氏は、同政府が核保有9カ国を提訴して以来、核兵器廃絶の取り組みが驚くほど広がっていると報告しました。
日本原水協の土田弥生事務局次長は、「国連や各国政府と力を合わせ、核兵器なくせの圧倒的多数の声を突きつける署名行動のラストスパートをかけよう」と訴えました。
討論では、各地の署名の取り組みを交流。アンジャイン氏は結びの発言で、「集会に感動した。島に帰ったら署名を集めて、NPT再検討会議に参加する代表に託したい」と述べました。