日米政府に各界から怒り
日本国民に衝撃を与えた垂直離着陸機MV22オスプレイの墜落事故から一夜あけた19日、日米両政府は事故原因の究明も待たずにオスプレイの日本での飛行継続、横田基地への配備を進める姿勢を示しました。翁長雄志沖縄県知事が事故原因究明までの飛行停止を求めたにもかかわらず、MV22は19日も、普天間基地(沖縄県宜野湾市)から飛びたち沖縄上空を飛行。日本の各界から怒りの声があがっています。
(写真)翁長沖縄県知事の飛行
停止要請を無視して、墜落事故
翌日に低空飛行で訓練するMV
22オスプレイ
=19日、沖縄県東村高江
「機体の安全保証」中谷防衛相が強弁
中谷元・防衛相は19日の参院外交防衛委員会で、事故について「現在調査を行っているが、設計に根本的な欠陥を疑う理由はなく、通常の運用を停止させる理由は発見されていない」と米側から説明を受けたと答弁。会見では機体の安全性について「現時点で政府としてそれを保証するという状況だ」などと強弁しました。
これに先立ち米国防総省のウォレン報道部長は「日本での飛行を調整する計画はない。沖縄での飛行に変更を加える予定はない」と会見。横田基地(東京都)へのCV22オスプレイ配備にも影響はないと強調しました。
自衛隊が17機を配備する予定の佐賀では同日、県連絡会が配備断念を求める声明を発表。オスプレイの飛行ルートとなっている中国地方の知事会も同日、「住民の懸念は払拭(ふっしょく)されていない」と述べ、事故の再発防止について「自治体や住民が納得できる十分な説明」を求めました。
オスプレイ即時撤去・飛行停止を
- 沖縄選出・野党5議員アピール
日本共産党の赤嶺政賢衆院議員ら5人の沖縄県選出野党国会議員は19日、国会内で記者会見し、米ハワイ州でのMV22オスプレイ墜落事故(日本時間18日)を受けて緊急アピールを発表しました。「米軍普天間基地所属の24機のMV22オスプレイの即時撤去、県外・海外からのオスプレイの一切の飛行禁止」を求めています。
アピールでは、翁長雄志沖縄県知事が18日に事故原因が究明されるまで同型機の飛行停止を求めたにもかかわらず、19日午後にも、沖縄県内上空でのオスプレイの飛行が確認されていると指摘。「(米国に対し)物言えぬ日本政府の対応をあざ笑うかのようだ」と述べ、「余りの対米従属姿勢にあきれるばかりだ」と批判しました。
また、米空軍仕様のCV22オスプレイの横田基地(東京都福生市など)配備や陸上自衛隊によるオスプレイの保有について、「断じて容認できない」と強調。「これ以上、県民を危険にさらすわけにはいかない」として、オスプレイの即時撤去と日本政府がオスプレイの「安全宣言」を撤回することを求めました。
アピールの発表には、赤嶺氏のほか、照屋寛徳(社民党)、玉城デニー(生活の党)、仲里利信(無所属)の各衆院議員と糸数慶子参議院議員(同)が参加しました。