米上院共和党指導部は18日、医療保険制度改革(オバマケア)の上院代替案に対し、新たに2人の共和党議員が反対を表明したことをうけ、同法案の採決を断念しました。同党のマコネル上院院内総務は、オバマケアを廃止したうえで2年間かけて代替案を審議することを提案しましたが、これにも反対する共和党議員がでるなど、混乱に拍車がかかっています。
オバマケア代替案は下院ではすでに採択されていますが、今回の上院での失敗で、大統領選の公約にしていたトランプ政権にとって新たな打撃となります。
上院案は、メディケイド(低所得者向け公的医療保険制度)縮小など、低所得者に不利な内容。新たに2200万人の無保険者がでるなどの試算(米議会予算局)が示され、各種世論調査結果でも、国民の大半は反対していました。
上院共和党指導部は、当初示した案を修正して採決に持ち込もうとしました。しかし民主党の48人が反対する中、当初から反対していた共和党2議員に加え、17日に2人の同党議員が造反。100人の議員のうち過半数の50票が得られないことから、上院での採択は不可能になりました。