最高は月150時間、年1200時間
労働者に時間外労働をさせる際に結ぶ労使協定(三六(さぶろく)協定)について、経団連の会長・副会長企業17社のうち16社(94%)で、脳、心臓疾患で労災認定される目安となる月80時間の「過労死ライン」を超えていることが、分かりました。赤旗紙が経団連役員企業の協定書について、各地の労働局に情報開示請求したものです。
17社・35事業所の「三六協定」を調査。1カ月の協定で最長が東日本電信電話(NTT東日本)の150時間でした。また、月100時間以上とした企業は8社でした。
1日に延長できる残業時間では、8時間以上が13社、10時間以上が10社です。最高は1日15時間で、所定労働時間を含めると22時間以上働かせることができます。
年間の残業時間が600時間を超えるのは15社、800時間以上は7社でした。
経団連の榊原定征会長が相談役最高顧問を務める東レは、月100時間、年間900時間の協定を締結しています。住友化学は月100時間、年間1200時間の協定を結んでいました。
経団連は今春闘にあたっての方針「経営労働政策特別委員会報告」で、「残業代ゼロ」法案の早期成立を主張し、時間外労働の上限規制でも「抜け穴」づくりを主張しています。
三六(さぶろく)協定 労働基準法36条は、労働時間が週40時間、1日8時間を超える場合、労使間で協定を結ぶことを規定しています。大臣告示では、上限として月45時間とされていますが、特別条項を締結すれば、無制限に残業させることができます。