名護住民らが抗議行動
菅義偉官房長官が、沖縄県名護市辺野古で推し進めている新基地建設について「(仲井真弘多知事が承認した)過去の問題だ」とのべたことに対し、辺野古で抗議行動を続ける住民らは11日、「怒りの火に油をそそぐ暴言だ。広がり続ける県民のたたかいに恐れをなしているのは安倍政権だ」と口々に語りました。
辺野古在住の女性(70)が、米軍キャンプ・シュワブゲート前でシュプレヒコールを上げました。「基地建設を終わった話にしようなんて許せない。私たちのたたかいに追いつめられている政府のいらだちを感じます。基地をつくらせないたたかいに勝利し、安倍政権の悪政に反対する全国の運動に勇気を与えたい」
那覇市から辺野古の座り込みに毎日通っている女性(69)が言います。「政府は、辺野古に3600人が集まった抗議集会から恐怖を覚えていると思います。今後も大規模集会が行われます。沖縄のたたかいのうねりをさらに広げ、安倍政権を倒す全国の運動の火種としていきたい」
宜野座村の女性(35)は「沖縄をばかにするなと言いたい。圧倒的多数の県民が新基地建設に反対しています。その思いを踏みにじる、とんでもない暴言です。政府が何と言おうとたたかい続けます」。
週2回、抗議行動に通っている那覇市の女性(65)は「新基地ノーが民意なのは明らかなのに、政府にはわからないのか。県知事選で、安倍政権に審判を下さなくてはいけません。何があっても基地建設を断念させます」とのべました。
新基地問題「過去でなく将来のこと」
― 翁長那覇市長が菅長官発言批判
秋の沖縄県知事選に出馬を表明した翁長雄志(おなが・たけし)那覇市長は11日、開催中の市議会本会議で、菅義偉官房長官が前日に、名護市辺野古で進められる新基地建設は「知事が(埋め立て)承認し粛々と進められており過去の問題だ」と述べたことについて、「過去のことではなく将来のことだ」と批判しました。日本共産党の古堅茂治市議の代表質問に答えました。
翁長市長は「県民が『どうぞ使ってください』といって使わせた基地は一つもない」と述べるとともに、100年間利用するといわれる辺野古新基地が建設されたら跡地利用は100年後、200年後になると指摘しました。
翁長市長は、新基地がつくられたら、名護やヤンバル(本島北部)の自然環境は破壊され、観光業など自然を利用した産業の発展も期待できなくなると主張。その上で、「過去のことではなくて将来のことだ。ここをはき違えて菅官房長官が沖縄基地負担軽減担当相になったということになると、沖縄の将来や日本の安全保障のあり方について私たちがしっかり議論しなければならない」と述べました。