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きょうの潮流

2017-09-20 | コラム

「被爆者とともに核兵器のない世界へ」を合言葉にした原水爆禁止世界大会から1カ月余。核兵器廃絶の草の根運動が元気です▼折り鶴や「ヒバクシャ国際署名」をつけた風船飛ばし。「核兵器から卒業しよう」「日本政府は責任を果たせ」と訴える平和行進…。国連での核兵器禁止条約の署名式典が行われる20日を起点にした「平和の波」行動計画です。首都圏の被爆者がつくった折り鶴を持ち寄っての官邸前アピール行動も▼折り鶴は署名とともに誰でも、どこでも、いつでも取り組めます。折り鶴は被爆者の「使者でありシンボル」でもあります。2歳のとき広島で被爆し、12歳で白血病で亡くなった佐々木禎子さん。名古屋の高校生から贈られた折り鶴をきっかけに鶴を千羽折れば元気になると信じました▼その思いは核兵器廃絶と平和を願う映画や絵本などになりました。長崎の被爆者で、先月亡くなった谷口稜曄(すみてる)さんは国際社会に訴え続けた被爆者運動の先達者でした▼2010年NPT再検討会議では背中が真っ赤に焼け焦げた16歳だった自身の写真を掲げて「原爆の呪うべき爪あと。目をそらさないでほしい。核兵器と人類は共存できない。みなで力をあわせ核兵器のない世界をつくりましょう」▼禁止条約を採択した国連会議で空席の日本席に置かれたのは折り鶴です。メッセージは「人類のために賛成と投票せよ」。「平和の波」行動は“人類のため”唯一の戦争被爆国で禁止条約に賛成する政治の実現めざす、たたかいの起点です。


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