防衛省は11日、昨年12月13日に沖縄本島沖での空中給油に失敗し、名護市安部に墜落した米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの事故に関する米軍の最終報告書を公表しました。この中で、事故機は墜落前に空中給油を「何度も失敗した」と明記しました。
米軍最終報告書を公表
米海兵隊は今年1月5日以降に日本国内での空中給油を再開。日本政府もただちに「理解」を示しましたが、失敗を起こしやすく、重大事故のリスクを抱えていることが鮮明になりました。
在沖縄米海兵隊が4月28日にまとめた報告書によると、事故機は午後6時17分に普天間基地(沖縄県宜野湾市)を離陸した後、午後8時以降にMC130特殊作戦機と合流し、空中給油訓練を開始しました。
しかし、オスプレイはMC130の給油口(ドローグ)への給油管(プローブ)の接続に何度も失敗。報告書によると、「4~5回接続を試みた」後もさらに試みたとしています。
さらに午後9時9分ごろ、残燃料に関する警告を受けたため、普天間への帰投を決定。同18分ごろ、鹿児島県の与論空港沖約15キロメートルの地点で最後の接続を試みた際、オスプレイのパイロットがMC130との適切な距離を保つことができず、右側のプロペラにドローグが接触。これにより機体が大きく振動し、左右のバランスが保てなくなり、同29分、名護市安部の浅瀬に墜落しました。
さらに、報告書によれば、2015年にも米本土で別のオスプレイが今回と同様、プロペラとドローグの接触事故を起こしていました。防衛省は今年1月5日の報道発表で、「オスプレイの空中給油に際して、このような接触が発生したのは、今回が初めてである」としていましたが、全くの虚偽説明だったといえます。