世論と怒りを敵視して自民、公明両党が6日深夜、秘密保護法を強引に成立させました。その瞬間、国会正門前、議員会館前を埋めつくして「絶対反対」と声をあげ続けた人たちは、悪法撤廃にむけた新しい行動への決意に燃えていました。
決意
国会正門前
午後10時50分。主催する「怒りのドラムデモ」のメンバーが、参院本会議で日本共産党の仁比聡平議員の反対討論が終わって、採決強行の危険が高まると報告。「どんな結果になっても、落ち着こう」と呼びかけ。歩道を埋めた参加者はスピーカーから流れる国会中継を静かに聞きました。
午後11時20分すぎ。「可決」の声がスピーカーから流れるやいなや、怒りと悔しさを押し殺したように、厳粛な「採決撤回」コールとドラムが起こりました。
主催者が涙声で「安倍内閣は世論を敵にした。われわれには3・11大震災から運動をしてきた知恵がある。法撤廃のため知恵を出そう。たたかい方はいっぱいあります。明日以降、こんなことで絶対負けやしないという姿を見せつけましょう」と訴え。「そうだ」「これからだ」の声があがりました。
「凶行採決反対」と書いたプラカードを掲げる東京都北区に住む会社員の男性(31)は「与党は巨大な国民の反対を押し切った。こんな『無法な法』は認められない。あくまで合法的なあらゆる手段で抗議して、たたかい続けます」。
「本当に怒り心頭です」。東京都三鷹市からかけつけた男性(52)は、語りました。「この怒りは諦めの怒りじゃありません。法案は無理やり通されたけど、たたかい方はまだまだあります。与党も国民を無視して、こんな無理をしてすさまじく消耗をしているはず。明日からまた、がんばります」
連帯
議員会館前
午後10時40分ごろ。日本共産党の仁比議員が反対討論をしているとの報告が入ると、「がんばれ」「私たちがついているぞ」のコールが響きました。
審議が打ち切られると、怒りの声があがりました。「おれたちこそが多数だ。世論の力で安倍政権を追いつめ、秘密保護法を絶対つぶすぞ」
記名投票の直前、若い男性がマイクを握りました。「みなさん、いま僕たちのたたかいを発信しましょう」。インターネットのツイッターや動画中継の呼びかけです。
携帯充電切れた「おれの分もツイートを」
次つぎに携帯電話を取り出す人たち。携帯電話の充電が切れた看護師の男性(39)=埼玉県草加市=は、隣でコールする女性に「おれの分までツイートしてくれませんか」。その女性は、こぶしを突き上げてコールする“仲間たち”の写真をメールで友人に送りました。
強行採決の報告が入ると、藤冨さんは「この悔しさは忘れない。俺たちは、黙ってないぞ。安倍政権が恐れる大多数の国民が動くことになる」ときっぱり言います。
コンピューター関係の仕事をしているという男性(43)=東京都豊島区=は、「数の力か。悔しい」と話しながら、「これだけの人が行動し、声をあげたのは運動の成果だ。これからが始まりです。法律を施行させない世論を広げていく」と力強く語りました。
「政府の強引なやり方に納得がいかず、初めて行動に来ました」と話した大学生(19)=男性=も、「大勢の人が行動している。驚き。最後まで反対した議員さんを尊敬したし応援したい」。