年末に久しぶりにケーキを作ったことを書きました。
マーブルケーキ。
パウンド型がなかったのでホール型で焼いたら
量が少ないので、とても薄いケーキになりました。
その上、バターを室温に戻さずに混ぜ始め、
部屋が寒いのでまったく溶けず
混ぜても混ぜても、本に書いてあるような白いクリーム状にならず
もういいや、と思って次の段階に進んだようないい加減な作り方。
でもオーブンに入れて焼いていると
おいしい匂いが部屋いっぱいに広がるし
口当たりはもそっとして重たい感じでしたが、
あとをひくおいしさ。
ケーキ屋さんのケーキのような
品のいいおいしさは出ないけど
手作りのケーキって満足感も手伝ってか
すごく美味しく感じませんか?
(作った本人が言うのもなんですが)
それで貴重な無塩バターも余っていることだし
またケーキを作りたい!という熱が冷めないうちに
スーパーで広島産のレモンが置いてあるのを見つけました。
国産のレモンはあまり見かけない気がして、
売っていると、「おっ」と思って買いたくなります。
でもいつも使いきれないんです……。
余談ですが、
高松にいた頃、夫の同僚の、
兼業農家をしているという実家の敷地には
レモンの木が植わっていて、何もしなくてもじゃんじゃん実がなる、
という話を聞いたのですが、なぜ国産レモンは少ないのでしょう?
私もレモンの木が欲しいと思うのですが。
植える敷地もない上に、そもそも1個でもなかなか使いきれない人には
必要ないですね……。
話を元に戻しますと、
国産レモンがあるのなら
本で見ていたレモンバターケーキを作ろう!
と思い立ったのでした。
というわけで、金曜日の夜にレモンのシロップ煮を作り、
昨日初レモンバターケーキを作りました。
前回の失敗を繰り返すまいと、
前日からバターと卵を部屋の中に出しておいたのですが
なにせ寒いので、全く溶けておりません。
それで先日初めてご飯を一緒に食べに行った
職場の人からのアドバイス
「電子レンジを使ったらいいじゃん!
あなた、前も少し思ったのだけど、もしかして天然?!」
をもとに、電子レンジでチンをしてみましたが
全然足りなかったようで、結局今回もバターと砂糖を「すりまぜる」のに
とても苦労して、最終手段の湯煎作戦でなんとかごまかしました。
それでも本にあるような白っぽいクリーム状にはほど遠い。
その上、卵を少しずつ入れなければいけないのに
最初にどわっと入ってしまい、完全に分離しておりました。
まあでも手作りは失敗してもおいしいのよ
と、めげることもなく、なんとかオーブンに入れて焼き始めました。
ここからが本当にわくわくタイム。
オーブンの中っておとぎの国みたい。
黄金色の光の中に、ふわふわしたしあわせのタネみたいなものがあって
(『幸福のパン種』という堀口大學の詩集がありますね)
だんだんそこからこんがりの匂いがあふれてきて。
前回よりは分量が多かったものの
今回もホール型にして、底いっぱいに広がらないくらいだったので、
またぺしゃんこかなぁと思ったのですが……。
どうしてどうして
どんどんどんどんふくらんでいくではありませんか。
最後には山のように大きくなって
わぁっと子どものようになってしまいました(←これは私)。
オーブンから出したときの感動。
なんておいしそうなんでしょう!!!
なんだかなんだか、
私の中で、ケーキが息を吹き返しました。
子どもの頃、ケーキは特別なものだったと思うのですが
大人になったら、食べたければすぐに買って
しょっちゅう食べられます。
けれど、こうして夫も駆り出して
「もうオレの腕は死んだ」とか言いながら
交代で泡だて器をじゃかじゃかして
オーブンの魔法でケーキとわくわくがものすごくふくらんで
そして見栄えは悪くてもそれなりのものができあがると
ケーキがその特別感と素晴らしさを取り戻すような気持ちがするんです。
「ケーキって、贅沢なものなんだね」
としみじみ。
ところがところが
型から取り出すところまではものすごく上手にできました。
そのあと、どうすればいいんだっけ?
網(てんぷらをあげるバットについている網!)にのせて
放置してしまったのです!
出掛けてしまい、数時間経過。
急にあんなに置いておいたらまずいんじゃない、と思い出し、
慌てて帰ったものの、まわりがコチコチ。
ネットで調べると(先に調べればいいのに!)、
荒熱が取れたら、ビニール袋に入れてしまわないと
水分がとんでパサパサになる、とのこと。
それで、自分でもびっくりするくらい、子どもに戻ったみたいに
がっかりしてしまったんです。
幼稚園の頃、家の鍵を母が開けてしまって、
「私が開けたかったのにー!!」と
ものすごく駄々をこねたことがありました。
「じゃあ戻ってもう一回やり直そう」と母が言うのに、
「いやだ、もうあの時には戻れないー!!
あの時じゃないとだめなのー」と泣きました。
あの気持ち。
もうあの時には戻れないよーと駄々をこねている自分がいるんです。
製作過程の失敗はぜんぜん気にしなかったくせに。
どうしちゃったんでしょう。
なんなんでしょう。
ほんとに、あきれますよね……。
子どもに戻りたくなったら、ケーキを作ろう!
なんて、ごまかしてみたり。
ところで出来あがったケーキはまだ食べていません。
今夜兄の家に行くので持っていきます。
パサパサでしょうけど、きっとおいしいんじゃないかなぁ
(絶望を乗り越えての希望的観測)。
お鍋の中のEXILE(これからレモンのシロップ煮を作ります)
早く食べたい
こちら側のレモンはだいぶはじっこに追いやられています