ミッちゃん 山元気!

自由気ままに 自分の目線で
山歩きの様子を綴っていく日記です

大峯奥駈道を繋ぐ 明星ヶ岳 3

2020年08月03日 | 山 近畿 大峰山系

7/23~7/24 ☂/☁ ガス・風強し

明星ヶ岳:カナビキ尾根~楊枝ノ宿小屋まで往復

 高崎横手からの続きです

高崎横手

 

頂仙岳 明星ヶ岳への古の道は

天川村と 下北山村を繋ぐ交通路であったという

 

その分岐でもある高崎横手

弥山を介して奥駈道へ進む登山道を歩くか

明星ヶ岳を介して奥駈道に入る歩道を歩くか

左右選択をするところとなる

 

以前は周回してここ高崎横手に戻り

川上村川合へと下ったが

今回は 明星ヶ岳の更に先へと進む予定のため

右直進へと歩を進め まずは

明星ヶ岳を目指して進む

 

 

 高崎横手を道なりに直進

 シラビソに巻かれたテープ

 シラビソの森が続く

 トウヒの間を抜けて行く

立ち枯れのシラビソとヒメワラビの林床

 

 

緩やかにアップダウンを続けて歩く

次第に体に力が入らなくなり

ザックの重さが空腹感と共に耐えられなくなる

 

ちち~ 

そろそろお昼ご飯なんぞは…

 

食べたいの?

 

ハイ! 

食べたいとお腹が泣いております!

私の腹時計は正確なのだ!

 

中平坦な所で休憩を取り

持参の爆弾おにぎりを頬張って

エネルギーを補給する

 

 

 出発だ!お腹一杯!ガス一杯!

 ゆるりとアップダウンが続く

 案内板にあれ? 手書き~

日裏山 1725m

 

 

樹林帯から抜け出た感じの広場が

日裏山のようである

標識は特になく案内板があり 

それが山頂を示すものであった

 

よ~く見ると 案内板の下の隅に

手書きの標示があった日裏山と…

 

 

急な登りではないが アップダウンはつきもので

未だ半分以上歩かねばならぬ

今日はなぜか身体に堪える…

背中のみがのみならず

をもめる感じだ…

がんばれ! がんばれ! まずは明星ヶ岳

 

 斜面はトラバース谷側は注意?

 平たい樹林帯木の根に注意!

トウヒ・シラビソ林 ヒメワラビの林床の道

 

 

この辺りは 日本では珍しく 

シラビソ林が

亜高山性常緑針葉樹林を形成している

ガスに包まれてもなお 緑濃く生い茂る

シラビソ・トウヒ林に

別世界に導かれている様な錯覚に陥る

 

疲れた身体も

この深き緑に包まれると癒されるのか 

心地よい空間に身をゆだね

歩く足取りも軽くなる……事はないが

心鎮まり癒される事により歩く力となる

 

 

 倒木が目立ちだし

 倒木の間を泳ぐところも

 あれよっと!しんど!

 

日裏山を過ぎていくと 気づく事がある

西側の斜面の樹林帯に

倒木立ち枯れが多いような…

 

シラビソ・トウヒ墓場のような森の中

木々の影の向こうに広がる幻想的な世界が

自然の厳しさが浮かび上がらせている感じ…

なんとも不思議な気持ちにさせられた

 

・・・かと思うと

 

 

 

若いトウヒの群生と 

シラビソが混生する森…

倒木 立ち枯れ シダの広がる林床や

ガスが微妙に動きながらも

緑豊かな森に包まれ 

自然の懐に抱かれる感じ

 

 シラビソの樹林帯を通っていくと

 若木の間から案内板が見えてきた

 石標? おお~

 

弥山辻に着いたようだ!

 

弥山辻

 

弥山辻に着いたと言う事は

漸く 奥駈道に出た… と言う事!

ここから王道の道だ!

 

に進めば 八経ヶ岳 弥山

に進めば 明星ヶ岳

 

その明星ヶ岳

ここからは目と鼻の先ほどに近い ただ…

山頂ではきっと風が大暴れしているだろう…

 

ならば

ここで少し休んでからと言う事になり

ザックを下ろして一休憩!

 

ところが…

身体が解放され軽くなると 今度は

汗だくの身体から体温を奪う様に

絡んで通り抜ける風のおかげで 

寒くなる

 

なぜか落ち着かなくなり

次第に体を小刻みに動かしながら

 

 

チチ…行こう…

 

ボソっという

 

行こうか…

 

チチは笑いながら腰を上げた

 

 

 

まずは 明星ヶ岳へ出発だ!

 

相変わらずのガスに

弄ぶような風の音が頭上でする…

取りあえず山頂を目指そう…と

重いザックを担いだ… 重!

 

 景色はないが雨も感じない

 途中の分岐を左!奥駈の寄道

 景色はないと木々は囁く

 

おいで おいで

山の天辺へ

 

おいで おいで

風の遊び場へ

 

今日は煙幕巻いたよ 

な~にも見えない

どうする どうする

楽しみは何処じゃ?

 

風の姿を木々が現し

倒木が目立つ山頂までの道

ガスに包まれたそこは

風の遊び場になっていた…

 

 明星ヶ岳山頂

 

木々が消えれば 

甚振るように体当たりしてくる風!

少しの雨交じりで 帽子をも飛ばす勢いだが

倒されるほどではない!

 

木々を揺さぶって脅しても

私は負けない!と思いながらも

弥山辻で休んでおいてよかったと心底思った…

 

 

明星ヶ岳 1894m

 

無言で迎える明星ヶ岳

 

今日の明星ヶ岳は… 

周りの風がうるさいだけで

倒木 立ち枯れに囲まれたその

ガスの所為もあるが 

どこか哀愁めいたものを感じた

 

展望も何もないベールに包まれた明星ヶ岳に

別れを告げて 早々に奥駈道の

明星ヶ岳の分岐点まで下る…と

いっても 2分も掛からない所だが…

 

 奥駈道からの分岐

 トウヒの立ち枯れが更に目立ち

 バイケイソウが目に留まる様になる

 可愛い花と思った この時は…

 

バイケイソウ

少しみじめな姿だがチラホラ見かけ出す

 

森に華と変化を添えてくれた感じで

この時は まだ 

バイケイソウの花をかわいいと思っていた…

この時は…

この時は…

 

 

 禅師の森もガスを纏う

 

今までとは違う 

奥駈道魅力?怖さ?面白さ?

ここからげっぷが出る程味わう事になろうとは

この時どうして気づく事が出来なかったのか…

 

幻想的な奥駈の道

今日の宿までわって歩くだけ…と

気楽に考えていた面があった…

 

アップダウンはあるが

然程急な変化はなく 

雨という邪魔もの

濡れた木の根や石滑りやすい事を覗けば

然程 しんどいと思う事も無く

もうすぐ今日の宿に着けると思っていた

 

急な道 険しい道 崩れた道…

少しは想像できたであろうに

ただただ…今日の宿は何処だと

奥駈の道を歩いて 歩いて 歩き続けた…

 

歩き続けて…

 

 

つづく

 

 

吉野・大峯と熊野三山を結ぶ修験者の修行の道で、標高千数百メートルの山々の主稜線を踏破するように拓かれ、随所に行場が設けられている。

伝説によれば修験道の祖とされる役行者が拓いたとされ、修験者は奥駈を義務づけられ、回数を重ねることが重要とされている。道の途中には靡と呼ばれる行場が75ヵ所設けられているが、特に冬ごもりの洞窟として知られる「笙の窟」、役行者修行の地と伝えられる「弥山」、山伏集落である「前鬼」は重要な場所とされている。

        ー大峯奥掛道hpよりー

 

 



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