7/23~7/24 ☂/☁ ガス・風強し
明星ヶ岳:カナビキ尾根~楊枝ノ宿小屋まで往復
カナビキ尾根の取付きからの続きです
林道終点からの杣道?
植林の急登を九十九折に登る
歩き始めてから 急登を無言で登る
ただ只管に杣道を九十九折に登る
下の方から沢の音が聞こえてくるが
それすらも入らないようになる…
久々にザックの重さが応える…
杣道が終り 尾根らしい道に出た時に
未だ1時間も経っていないが休むことにした…
杣道が終る所で休憩
チチも 久々のテン泊用のザックの重さが
些か 応えるようだ…
身体というより 足…膝に堪えるのだろう
本来なら荷は私が持つべきだろうが
足を引っ張る事になる…
膝の悪いチチと 体力のない私…
それでも 自身の身体と向き合いながら
出来る範囲を少しずつ狭めながらも
続けられる努力をするだけ…
道は自然林へと変わる
洞穴になった木
自然林の中は また雰囲気が違う
古木 大木 捩じれた木
様々な様相を呈して迎えてくれるが
何処までも同じなのは 静寂という空間…
時折風が通り過ぎるが
雨の姿は…感じない…
樹林に守られているのか否か…
心配していた雨に当たる事はなかった…
急登は変わらず続き
地面とにらめっこしながらの登りが続く
生き物のような木の根
雨は無いが 濡れた木の根が良く滑る
足の置き方を間違えると
容赦なく足を掬われる感じだ
それは大峰らしいといえばそうなのだが
今回の山行では常につき纏い
この先の奥駈道では
更に緊張を与えられる事になる…
そう思えば まだこのカナビキ尾根は
歩き易い方だ…
ただ 急な登りに喘ぐだけ…
あれ?ロープが張られている!
ロープ地点
ロープが張られ
通せんぼするところに出た!
よ~く見ると脇道が出来ている…
登って来た方向のルートに
ロープが張られていると言う事は…
えっ!
歩いてはいけない方向から
登って来たの?!
どうも 昔ながらの急登を
必死こいて登って来たけれど
いつの間にか巻き道が出来ていたよう…
そして登って来たところではなく
脇道の方を通るように
ロープが張られていた…というわけ…
そういえば 来る途中に道が分かれていたが
その道がどこに行くのかわからず
昔のまま登って来たのだが…
帰りは こちらを通ろう
ロープの横の新しい道をみてチチが言う
えっ!
実はこの時私は…
違う事で気になる事が出来た…
ルートはチチに任せっきりの私…
それまで往復するコースとは思っていなかった…
大体 そのこと事態が間違いなのだが…
通り抜けるか周回するものと勝手に決めて
忙しさを理由に 地図をよく見ず ほいほい
チチの後についてきたのだった
そしてそれが 後に
気持ちを萎えさせる原因になるとは…
それと…
下山して 通ったルートを確認すると
気付いた事だが
往路では 厳しい方ばかり歩いていたよう…
カナビキ尾根も 急斜面を選んで歩いていた感じだ…
そりゃ~しんどかったはず!
だがこの時は
知らぬが仏で…
先は長いと頑張って登っていた
倒木や木の根が邪魔をする
大峰らしい雰囲気になり出す
ツルアジサイだろうか…
イワガラミだろうか…
付着根型の植物が古木に絡み
覆っている姿が目を惹く
巧く共存できているのか…
大木は枯れてなお 抵抗する事なく
絡まれているだけなのか…
どの山でも見る事が出来る光景だが
ここ大峰に至っては
どうしても違った雰囲気に感じてしまう
それは…私だけなのだろうか…
樹林帯の急登は続く
スカイラインが見えて…
支尾根とは思えない広さの
カナビキ尾根の最期の登り
出合地点に出たのか…
チチの足が止まった…
ガスの動きが見えるわけではないが
どこか神秘的であり 神々しい何かを秘め
森の吐息を感じさせるよう…
ふと…
見えぬ空を見上げ 溜息をついた…
そこがちょうど
カナビキ尾根から主稜線へと
バトンタッチされる出合だった…
金引橋方向がカナビキ尾根を指す
カナビキ尾根分岐
T字の分岐に立ち周辺を見るが
これといって目立つものは無し
標識と踏み跡の道が それを指し示しているだけ
カナビキ尾根はここで終了!
あの急登に比べると ここからは
アップダウンはあるが まだ歩き易い…かも
右方向に延びる尾根は
天川川合の健民グランド横にある登山道に下る
左方向に延びる尾根を進み
明星ヶ岳を目指す
少し足休めをしてから 歩きはじめる
ガスはますます濃くなる
ナメリ坂も急登…
雪深いのか 高い位置の標識
ぼやけたスポットライトを浴びたような個所
薄暗い樹林帯の中に明るさを見つけると
なぜかホッとする
風が勢いよく通り過ぎる・・・
雨ではなさそうだが
濡れた木の葉の雫が大粒の雨の様に落ちてくる
閉ざされた世界に明るさが届いた時だった…
カナビキ尾根分岐からのナメリ坂は
やや変化に富んだ感じだ
アップダウンもある
急な坂もある…が然程長くはない…
小さなピークもあり
それを巻くような道は笹床の道
鬱蒼と茂った樹林帯では
どの辺りをどう歩いているのか
分かり難い感じだが
道はしっかり残っていて
迷う心配はない
景色も何もない 灰白色のガスに包まれ
見通しのない山道をただ ひたすら
登る 登る 登るだけ
笹床の道
ナベの耳辺りを通過
崩壊した斜面トラバース
ナベの耳と呼ばれる
タワ付近を通り過ぎると
斜面の崩壊が所々あり
谷側に崩れ落ちるザレ…
足元を確認しながらも
谷間に堕ちる先はガスの中
お陰で恐怖を感じる事はない…
崩壊部分もガスの中 らっき~?
濡れて滑る岩場 用心用心
ガスの中 な~にも見えず風が笑う
道はドロドロ 泥濘いやだ~!
何、我儘言ってんのよあんた!と
覗き込む鹿さん
高崎横手に近づくころ
逃げるでもなく距離を保ちながら
こちらの様子を伺う様に見ている
泥濘に嵌ってアタフタする姿…
見て笑っていたのかな?
高崎横手
分岐点だ…
昔 ここに来たことがある
微かな記憶の中 確か…
明星ヶ岳から八経ヶ岳を通って
弥山周りで周回したはず…
そうか…今回
明星ヶ岳2回目という事になるのか…
ただし これも下山してから思い出したこと
この時は微かな記憶の中ですら
思い出してはいなかった…
前に来ただろう…とチチが言っても
そうだったかな…ぐらいで
ただ久々の装備の重さに
耐えている自分が居ただけ…
雨が落ちてきているのかいないのか
湿度の高いガスに包まれたまま
明星ヶ岳を目指して歩を進めていった
つづく
素敵な写真と文章…ミッちゃんハハさまの文章、好きです。山歩きの大先輩でも道間違い…わたしのような若輩者「間違っても懲りずに地図を読もう!」と励まされます(笑)。大木、古木の姿は本当に美しいですね。。。ありがとうございます。
気恥ずかしくも嬉しいコメントをありがとうございます
山での道間違えは日常茶飯事かも
ただ それに気づいてしっかりとルート修正が出来るか否かが
経験者の業みたいなものかもしれません
遭難しても生還できるか否かも ここにありますから…
自然の美しさは何にも代え難く 無償の美を見せてくれますね
その美しさを見に行くためにも
読図の技術は 必須ですね♪
それにより助けられること多いですから
それでも ついつい 頼って怠ける私ですから
いつか罰が当たるかもですね(笑)
Misa様もお山をされるのですね
色々なお山の魅力を楽しんで下さいね
コメント嬉しいです ありがとうございます♪