以前中途までだったが、今回はちゃんと最後まで観た。個性派バイプレイヤー殿山泰司の半生だ。演ずるは竹中直人。
京都の喫茶店のウェイトレス17歳のキミエを見初める、タイちゃん36歳。やがて赤坂見附のアパートで同棲生活。キミエを演ずるは荻野目慶子。なかなか好演、痩せっぽこの裸身も晒し体当たり演技に拍手。タイちゃんには鎌倉に焼鳥屋を営む内縁の妻アサ子がいるのだが。
殿山泰司となると監督シナリオは新藤兼人しかおらんやろ。となると音羽信子さんの映像がでないはずがない。証言者として、また殿山との共演で常に登場。
竹中直人は台詞回しは本人かと勘違いしそう、竹中ならではの味を出している。ちょっと緩めのジーパンにジージャン姿、だらしなくカッコいい。
横浜・野毛のちぐさ、新宿のピットイン、懐かしいよ。ジャズとミステリーと酒、女を愛し、とことん役者魂を失わないタイちゃん。
肝硬変、母親の死、ロケ地からの失踪、酒でダウン、子供たちの結婚、浮気、破天荒な生き方が分かる。
主演で台詞のない「裸の島」はモスクワ国際映画祭グランプリほか多数。「人間」では毎日映画コンクールで主演男優賞を受賞している。
余命半年と言われた後、オファーの電話3本。仕事が減ってた仕事師のタイちゃんは張り切る。だが腹水で膨らんだ腹が邪魔でジーンズのファスナーをあげきれない、キミエがベルト替わりに襦袢の紐を巻き仕事場に送る。
泣けるわな。
一つ重要なこと、マザコンだったんだな。
いろんな役者が出てる、アサ子役に吉田日出子、二木てるみ、賠償美律子、波乃久里子、川上麻衣子、波野久仁子、大森南、桂南光、田中要次、原田大二郎、六平直政等々。
2000年12月公開。
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