富岡製糸場⑪
「…富岡製糸場の御門前に参りましたときは、実に夢かと思いますほど驚きました。生まれまして煉瓦造りの建物などまれに錦絵出見るばかり,それを目前に見ますることでありますから…」と世界最新、最大規模の設備を誇った富岡製糸場を明治6年、ここで製糸技術を学んだ伝習工女の和田英は当時の回想録「富岡日記」に書いています。木骨の間に煉瓦を罪入れる「木骨煉瓦造り」の建築群は、現代建築にはない味わいのある建物ばかりです。門の前に立つと,隆盛期には400人もの工女たちが働いていたという往事の活気が目に浮かびます。