話して~♪

私の話も、あなたの話も

春といえば

2006-03-07 23:03:33 | 花日記 
明日の卒業式を前に早々と息子が机周りを整理し始めて、
本棚から私のアルバムを見つけました。

そのアルバムは学生時代の後半と新卒の頃のもの。
彼に新しい始まりがあるように、私にもこんな始まりの時期が
ありました。
新卒採用の春。22ですね。(ちなみに私は真ん中です)
私も病院もはじめたて。

笑ってやり過ごさなければとてもやっていけないような深刻な
日々が過ぎる大学病院という場所で、出来る最大限の仕事を
しながらも、出来る範囲の狭さや、チーム医療の限界に立ち向
かっては挫折した日々。

嘘をついたり、隠し事をしたり、自分のことなのに本当のことを
知らせることの出来ない、心残り、無念の死の数々を看取って
いた。

懐かしいけれど、もう戻りたくない最悪の医療の日々。
「青い」時代に感じたジレンマを、ずっと課題として生きてきた
数十年。何につながるともわからなかったけれど、今、少しずつ
光が見えたように感じています。

全体医療や代替医療や、さまざまな治療療法の出現と失敗を繰り返し
ながら、やがて

「治療の主役は病者本人である」

という一番大切なことを、病気の本人と、手助けする立場の医療
従事者たちが、本当の意味でわかってくること。
そこからすべてが始まる、私が夢見ていた形。

もちろん、それを表現できない人たちもたくさんいます。
それでもその中心に存在しているのだという意識で、家族、医療
従事者すべてが真剣に向かいあい、考えていくことで、その代わ
りは出来ると思います。

ただ目の前の仕事に全力を尽くしていた懐かしい春です。